Open Source Initiativeの共同創設者であるブルース・ペレンス氏によると、この10年間、素晴らしい成果を達成しながらも、手痛い打撃も被ったという。
オープンソース運動は先週末、「Open Source Definition」(オープンソースの定義)の公表およびOpen Source Initiative結成の正式発表から10周年を迎えた。オープンソースはこの10年の間に、大きな成果を達成する一方で重大な障害にも直面した。
「10年前、オープンソースとは何かという定義が初めて一般に公表された。2月8日の金曜日はオープンソースの“デケードゼロ”(訳注:デケードは10年)の最後の日であり、2月9日はオープンソースの10周年記念日であり、“デケードワン”の最初の日でもある。これはコンピュータサイエンティストの考え方だ。われわれはいつもゼロから数えるのである」――Open Source Definitionの作成者でOpen Source Initiativeの共同創設者であるブルース・ペレンス氏はこのように述べている。
ペレンス氏は、Free Software Foundationの創設者であるリチャード・ストールマン氏の先駆的役割を評価しながらも、オープンソース運動とフリーソフトウェア運動の間で軋轢が存在したことを認めている。
「わたしはこれまで、ビジネス界の人々に分かりやすいように、オープンソースがフリーソフトウェアと同義であるという立場を貫いてきた。これは、フリーソフトウェア分野におけるリチャード・ストールマン氏の主張に対する評価を高めることにもつながるからだ。事実、そうなった。今後も皆さんにそうしてもらいたいと思っている」とペレンス氏はブログ記事に書いている。
ペレンス氏によると、オープンソースの発展は同氏の予想を超えるものであり、フリー/オープンソースソフトウェアは現在、メインストリームになっただけでなく、多くのビジネスコンピューティング分野でリードしているという。「オープンソースが最も浸透したのは、業務用サーバと組み込みシステムの分野だ」と同氏は語る。
Microsoftでは、近くリリースされる「Windows Server 2008」における変更点の幾つかは、Linuxを意識したものであることを認めている。機能とパフォーマンスに優れるLinuxが、同社の顧客にとって魅力的な選択肢となっているからだ。
ペレンス氏は、フリー/オープンソースソフトウェアがデスクトップ分野におけるMicrosoftの支配を揺るがすには至っていないことを認識しているとしながらも、「フリーソフトウェアはAppleのMac OSで大きな部分を提供するとともに、Microsoft Windowsでも一部の重要な要素を提供している」と述べている。
しかし同氏の記事にコメントを寄せた人々の中には、Microsoftの最新のOSリリースで、大きな批判を受けているWindows Vistaは、Linuxデスクトップが市場シェアを獲得する最大のチャンスを提供したと考えている人もいる。
ペレンス氏によると、MicrosoftとAppleが「不本意ながらもわれわれと共存する戦略を策定せざるを得なかった」という事実も、GNU General Public Licenseのバージョン3のリリースと並ぶ注目すべき成果であるとしている。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.