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» 2008年02月29日 00時00分 公開

エバンジェリストの語るMozillaに秘められたユーザー擁護の“歴史的な好機”Focus on People(2/4 ページ)

[Tina Gasperson,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

―― Mozillaアプリケーションのフレームワークについてはどうでしょう? これを提供する側のMozillaが得るメリットと、提供される側の開発者たちの得るメリットはどのようなものなのでしょうか?

クリス 正式なアプリケーションフレームワークが定まったのは、かなり以前の話となります。それまでは顔の見えない聴衆に対してオープンソース形態のソフトウェアをリリースするだけというプロジェクトであったものが、聴衆となる人物像を把握した上で何を取り込むべきかという困難な判断をするプロジェクトへと、熟慮の末に移行してそれなりの年月を経ていますが、オープンソースプロジェクトとして特に苦しかったのは“何を含めない”ようにするかという決断も迫られるようになったという点です。こうした戦略を具体的な形として実装したのがFirefoxであると見ればいいでしょう。

 わたしたちの身内で続けられてきた議論の1つに、優先すべきは“プラットフォームとしてのMozilla”なのか“製品としてのMozilla”なのかという問題がありました。ここで理解しておくべき重要なポイントは、後者の道を選んだからこそ現在の成功があったということです。

 ただしこれは、プラットフォームとしては劣っているという意味ではありません。例えば、AllPeers、Miro(旧Democracyプレーヤ)、Songbird、そして新しく登場したFlickrアップローダなど、関連した製品を開発している企業やグループは多数存在します。しかもこれらは、プラットフォームとしてのMozillaを活用した成果における氷山の一角にすぎないのですから。

 開発者たちにとっての有用性は、今さら語るまでもないでしょう。Webテクノロジーをベースに構築されたクロスプラットフォーム対応の優秀なオープンソースフレームワークが利用できるのですから。Webに精通した人間であれば、かなりの高確率でこのフレームワークの恩恵が受けられるはずです。これは開発能力を有す優秀な人材を大規模にプールしておけることを意味します。また複数プラットフォームでの展開が比較的軽微な作業量で達成できますし、Webのポテンシャルを最大限に引き出す方向にも寄与しているはずです。

 Firefoxの次回リリースではXULRunnerを基にした開発が行われる予定ですが、これはXULベースランタイムの名称であり、XULベース製品を構築する際にMozillaその他で広範に利用されています。もっとも、こうした措置により一般ユーザーがFirefoxをダウンロードする際にXULRunnerのビルドを取得することになるという訳ではなく、あくまで開発側の作業が簡単化されるだけです。そして同様の製品開発をする人間たちにとっても同じことが当てはまります。

 これまでにも多くのLinuxディストリビューションの関係者と話をしてきましたが、おおかたのケースにおいて、個別のXULRunnerパッケージを用意してそれを用いたFirefoxのビルドを行う意図があるように感じられました。このことは最新のLinuxディストリビューションを今後インストールすれば、XULRunnerを用いたビルドができるようになるであろうことを意味します。

 話をモバイル空間に移すと、そこでは素性の知れた開発フレームワークが用意されていることが重要な意味を持ちます。XULRunnerもそうしたものの1つであり、わたしたちはこれまでに自社製品へのFirefoxテクノロジー導入に関心を有している幾つかのモバイル企業と話し合いの場を持ちましたが、そうした企業にとっての重要性は今後ますます大きくなっていくでしょう。これは個人的な予測ですが、Mozillaから提供されるFirefoxに加えて取り扱いの簡単なプラットフォームとして機能するものが何か新たに登場してくるのではないでしょうか。

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