特集
» 2008年02月29日 00時00分 公開

エバンジェリストの語るMozillaに秘められたユーザー擁護の“歴史的な好機”Focus on People(3/4 ページ)

[Tina Gasperson,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

―― オープンソース/フリーソフトウェア企業が直面する最大の試練とは何なのでしょうか? またそれをどのように克服されましたか。

クリス 2つの大きな試練があると考えています。その1つ目は、安定した財源を確保することです。この件については、わたしたちにはFirefoxを軸に据えた財務的なモデルを構築するといった意図がなかったことを理解しておかなくてはなりません。わたしたちにとっての最優先課題は、あくまで優れた製品を世に出すことでした。実際、そうした方針で活動してきたからこそ、今日認められている検索エンジンの価値が生みだされ、それが現状におけるわたしたちの資金源ともなっているのです。最もオープンソースプロジェクトの多くは、財政的な影響力というものを懐疑的な目で見ているか、財政面での実行可能性を確保していないかのいずれかの状況に陥っています。変革を導く上では収入という側面も重要な要素の1つであり、自分たちの土俵でプロプライエタリ系ベンダー(特にMicrosoftやApple)と対等な勝負をするには不可欠な要件であるという認識がわたしどものプロジェクトでは確立していると見ていいでしょう。特にここ数年、Webを発展させているのは変革を導ける能力であり、そうしたものがわれわれのかかわるミッション全体にとって重大な貢献をするようになっています。

 わたしの考える2つ目の試練は、透明化の実践にはコストを要するという点です。全世界で活動する何千名もの関係者に連絡を取るという作業だけでも、間接費としてのコストは無視できません。あるいは外部からの意見を遮断して自分たちだけで作業を進めた方が簡単かもしれませんが、それでは根本の方針に反します。われわれの製品が信頼されてその活動がユーザーに支持されているのには、透明化という方向性が大いに貢献しているというのがわたしの考えです。実際、それまで一面識もなかった人間がある日突然にコンタクトしてきて、思いつきもしなかった意見を聞かせてくれるという出来事が起こり得るのですから。

 透明化における第2の弊害として、意図しない方向にこちらの発言が曲解されるケースが多々生じるということもあります。わたしたちは毎週のミーティング記録を公開していますが、その中にあったコミュニティー貢献者を主として想定したコメントが取り上げられて、それが一般読者の目にするニュースにてセンセーショナルな見出しで飾られるという事態に何度も遭遇しました。こうしたコミュニティーで発言をする際には、曲解されないように話の文脈にも気をつけなくてはならないですね。つまり、成功する上での秘訣ではあるが、その扱いには注意しろということです。

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