「アジャイルインフラ」にフォーカスするNovell

Novellの新プロジェクトのコードネーム「Fossa」は、マダガスカルのジャングルに生息する俊敏な動物であるフォッサにちなんで名付けられた。フォッサには天敵がいないらしい。

» 2008年03月19日 08時00分 公開
[Peter Galli,eWEEK,eWEEK]
eWEEK

 将来に向けたNovellのビジョンは「アジャイルインフラ」であり、同社ではこの計画を推進するために「Fossa」というコードネームで呼ばれる新プロジェクトを策定した。このプロジェクトでは、オープンソースだけでなくプロプライエタリなソフトウェアも利用されるようだ。

 Novellのジェフ・ジャフィーCTO(最高技術責任者)は3月17日、ソルトレークシティで開催中の「BrainShare」カンファレンスにおけるキーノートスピーチで、「企業の情報責任者はアジリティ(俊敏性)を求めているが、今日のITインフラは決してアジャイルではない。このためにNovellはアジャイルインフラという将来ビジョンを打ち出したのであり、われわれはオープンソースコミュニティーおよびパートナー各社と共同でこのビジョンの実現を目指す」と語った。

 Novellがこのプロジェクトに付けた「Fossa」というコードネームは、マダガスカルのジャングルに生息する動物の名前から取ったもの。ジャフィー氏によると、フォッサはマングースに非常に近い動物で、その捕食者の存在は確認されていないという。Fossaプロジェクトでは、オープンソースソフトウェアでは足りない部分を埋めるためにプロプライエタリな技術も採用される。

 「Fossaプロジェクトはアジリティを実現する次世代のインフラであり、当社の戦略に合致したものだ。このインフラでは高帯域を利用した俊敏な実行とポリシーを通じた効果的な実行が可能になり、ワークロードの最適化とプロビジョニングを可能にするアルゴリズムを通じてアジリティ機能そのものも自動化される」と同氏は説明する。

 ジャフィー氏によると、Novellのアジリティに対する取り組みは、長年にわたって同社内で行われた膨大な作業に基づくもので、基本的にポリシーと認証管理によってアジリティを実現するという。「われわれが既に持っている多くの技術を基盤とする方針であり、われわれは競合企業が既に提供している技術に決して後れを取っていない」と同氏。

 あるブログは、「Fossaは“Free and Open Source Software with Agility”(俊敏性を備えたフリー/オープンソースソフトウェア)を表しているとも言える。Fossaプロジェクトの目標は、さまざまなコンピューティングタスクを企業間で賢く効率的に連携させることであるからだ」と指摘する。

 ジャフィー氏によると、ユニファイドコミュニケーションもITの課題であり、そういったものもすべてコンピューティングインフラに含める必要があるという。

 また、Novellの仮想化戦略のコアとなるのはLinuxで、ジャフィー氏によると、同社は今週、BrainShareにおいて、仮想化されたWindows Server 2008がSUSE Linux Enterprise Server 10上で動作するデモを行うという。

 「将来、Linuxはあらゆるところで使われるようになり、Fossaプロジェクトのコアコンポーネントになるだろう。このプロジェクトは当社の戦略的目標および顧客の戦略的ニーズとも一致する」(同氏)

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