利用者の利便性を高めるきめ細かい配慮公共機関の複数窓口連携システム(2/2 ページ)

» 2008年04月01日 16時00分 公開
[ITmedia]
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ITでの対応をどうするか、新たな課題に直面する

 ITコーディネータに構想を説明したところ、RFPにまとめて、システム構築を担当する業者を募ることになった。事前にプロジェクトチームで構築したい仕組みについて練り上げていたので、RFPの作成もスムーズに進めることができたという。

神奈川区役所 区政推進課 企画調整係 古瀬謙一氏

 「ディテールまで踏み込んだ構想が出来上がっていましたので、RFPも相当詳細にわたったものになり、システム構築のコストもかなりスリム化できたと思います。入札により最終的には地元のSI会社さんにお願いすることになりましたが、構築作業も途中でストップしてしまうということもなかったです」(古瀬氏)

 こうして窓口連携システムは2007年12月から稼働した。このシステムは神奈川区のマスコットである亀にちなんで「かめさぽ」と名付けられ区民にも紹介された。利用者からは好評を得ており、手続きの最短ルートの案内や、必要な情報が書き込まれた用紙の発行など、大きなテーマであった「利用者の在庁時間の短縮」についてもデータがまだ蓄積されていないが、少なからず短縮が実現されているという。今後はデータを蓄積して、より正確な待ち時間等の解析を実現していく予定だという。

窓口連携システムのイメージ

導入効果を聞く――庁内LANの活用を今後も進めていきたい

ITmedia システムの概要は?

飯田 庁内LANを活用しています。住民の方のプライバシーにかかわるデータベースにアクセスする仕組みではありません。LAN経由でサーバにアクセスして発券を制御しているわけです。

ITmedia 導入の効果は?

古瀬 稼働してまだ約2カ月ですので、一概に言えませんが、複数の手続きをする多くの方の時間が短縮されていると感じています。今後さらに在庁時間の短縮に取り組んでいきたいですね。そのためにはシステム面だけでなく、運用する職員のさらなるレベルアップが必要です。

ITmedia 各窓口間での連携も進んでいる?

飯田 このシステムは前の窓口での手続きの処理状況や、手続きの情報が事前に分かるなど、システム化による時間の効率化だけでなく、各窓口が協力してより正確なサービスを実現しよう、という仕組みでもあります。使いこなしていくことで窓口の連携がさらに進むことを期待しています。

ITmedia 今後の予定は?

古瀬 まだ導入していない窓口に順次導入していきます。データを蓄積することで、業務改善のための材料にすることも考えています。もちろんより正確な待ち時間の把握にも役立てます。

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