Microsoft、相互運用性フォーラムを開設

MicrosoftのInteroperability Forumでは、相互運用性に関する問題を議論したり、質問をすることができる。

» 2008年04月02日 16時56分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは4月1日、顧客や開発者、オープンソースコミュニティーのメンバーが相互運用性の問題を論じたり、質問をしたり、技術的なアドバイスを受けられるWebサイト「Interoperability Forum」を立ち上げた。

 このフォーラムは最初、Microsoftが2月に「オープンな接続」「データポータビリティ促進」「業界標準サポート」「オープンソースコミュニティーも含めた顧客や業界とのよりオープンな提携促進」という4つの新たな相互運用性方針を明らかにした際に発表された。

 このとき同社は、フォーラムは顧客、開発者、オープンソースコミュニティーとの継続的な対話を促進するだろうと語った。

 同社はWindowsクライアントとサーバのプロトコルに関する3万ページ以上の技術文書もこのとき公開した。

 Microsoftの担当者は、顧客、パートナー、ほかのベンダーとの協力の重要性を主張した。例えば、Microsoftの相互運用性および標準担当ジェネラルマネジャー、トム・ロバートソン氏は、「1社だけでは相互運用性の課題を解決できない」と述べた。

 Microsoftは「このフォーラムから学んだ教訓を生かし、引き続きInteroperability Vendor Allianceなどの業界機構を通じて、この問題の解決策の開発で協力する」計画だとロバートソン氏は発表文で語っている。

 Interoperability Forumはログインしなくても閲覧できるが、コメントを投稿したり、質問や投稿への回答が来たときに通知を受け取るにはLive IDでログインする必要がある。

 Microsoftはこのフォーラムで3つの分野にフォーカスしている。参加者が一般的な質問をしたり、問題を特定できる「Interoperability Conversations」と、相互運用性の問題とその最善の解決法を考える「Technical Interoperability Scenarios」、業界標準を使って相互運用性を実現する方法という物議を醸すテーマの「Achieving Interoperability through Standards」だ。

 「標準は相互運用性を実現する唯一の方法ではないが、議論の重要な部分を占めている。このフォーラムは、技術の標準化、製品への標準実装に関連する議論を奨励する」とMicrosoftは発表文で述べている。

 Microsoftはまた、複数のプラットフォームで複数の技術を相互運用することの重要性も認めている。相互運用性およびXMLアーキテクチャ担当ジェネラルマネジャーのジーン・パオリ氏は、Interoperability Forumは市場に向けた現実的な相互運用性の解決策を開発するのに必要な技術的な議論やシナリオのテストを行う手段だと表現している。

 「Interoperability Forumでの生産的な対話と問題解決を楽しみにしている」(同氏)

 だがオープンソースコミュニティーのMicrosoftのライバルは、同社がオープン性と相互運用性の強化に注力しているというニュースに懐疑的な反応を見せてきた。LinuxベンダーRed Hatの法務顧問マイケル・カニンガム氏は、Microsoftがついにシステムの相互運用性は重要な必要条件であり、それに関してアプローチを変えると言っても意外ではないと語る。

 「もちろん、前にも同じような発表を聞いたことがある。ほとんどはほかの効果を狙って、戦略的なタイミングで行われたものだ。Red Hatは今回の発表を、かなり懐疑的に受け止めている」(カニンガム氏)

 Microsoftは、相互運用性とオープン性への取り組みは欧州委員会の圧力によるものではないと否定してきたが、多くの人はその主張を信じていない。

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