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» 2008年04月16日 03時00分 公開

PC電源のノイズ耐性を測れ【前編】計る測る量るスペック調査隊(3/3 ページ)

[ITmedia]
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コンセントから供給される電流に潜むさまざまなノイズ

 日本国内で供給される電力は、「電圧100V、周波数50/60Hzの正弦波」といわれている。これは、図で示すと図4aのような波形になる*。しかし、先に述べたとおり電圧に関しては誤差が認められている上、実際には外界からのノイズに汚染されるため常にこのような波形がコンセントから直に供給されているわけではない。

図4 図4 電圧波形の例

 図4b〜fは代表的な「汚れた」電圧波形の例である。波形の要素としては「電圧」、「波形」、「周波数」といったパラメータがあるが、例えば変圧器や配電機器の異常などで一時的に電圧が下がった状態を電圧ディップ(図4b)、瞬間的に停電状態になった状態を瞬停*と呼ぶ(図4c)。これらは、電力の需要が少数の配電機器に集中する高層ビルなどで多く見られるほか、消費電力の大きい機器のオン/オフによる瞬間的な電力供給不足によっても発生する。また、落雷などが原因のトラブルによって広域に発生することもある。

 短期間の電圧ディップや瞬停の影響は人間には感じられないため見過ごされることが多いが、瞬停が原因で大規模なシステム停止や故障が発生した例*も多くあり、見逃せない問題である。また、逆に落雷や同じコンセントに接続された機器から発せられるノイズなどの影響によって瞬間的に高圧が発生することもある(図4d)

 そのほかにも、外来ノイズが原因で波形が変形したり(図4e)、周波数が不安定に変動する(図4f)ということもある。

 これらの「汚れた電流」は当然電源にも影響を与える。例えば、瞬間的に高圧がかかった場合、電源によっては内部の安全装置によって動作が停止されたり、最悪回路が故障することも考えられる。また、瞬停や電圧ディップが発生した場合、供給電圧不足によって電源そのものに誤動作が発生する可能性が高い。

 それでは、そのような現象が発生した場合、電源は実際にどのような挙動を示すのだろうか? 次回は電源専業メーカーのニプロンに協力を依頼、同社が自社製品のテストに使用している試験施設で実験を行ってみよう。

このページで出てきた専門用語

図4aのような波形になる

「電圧100V」というのは実効値であり、その値に√2(=約1.41)を掛けたものが実際の波形の最大の振れ幅となる。

瞬停

瞬断と呼ばれることもある。

瞬停が原因で大規模なシステム停止や故障が発生した例

2005年7月に発生したYahoo! JAPANでのトラブルなどもそれに当たる。このときは運営サーバを収容しているデータセンターで瞬停が発生し、2000台あまりのサーバに影響が発生した。


本記事は、オープンソースマガジン2006年2月号「計る測る量るスペック調査隊」を再構成したものです。


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