HP、「アダプティブ」の次は「変幻自在」の術HP Asia Pacific & Japan Executive Forum 2008(1/2 ページ)

HPのBusiness Critical Systems部門がインドネシアでエグゼクティブフォーラムを開催し、ミッションクリティカルな領域においてもさらなる柔軟性を実現する「Polymorphic Computing」を紹介した。

» 2008年04月17日 07時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 東南アジア有数のリゾート、インドネシアのバリ島で4月16日、「HP Asia Pacific & Japan Executive Forum 2008」が開幕した。会場となったGrand Hyattホテルは30度を超えるうだるような暑さだが、緑の木々に映える薄い朱色のブーゲンビリアが、日本を含むアジア太平洋地域の顧客やパートナーら約120人を迎えた。

 このエグゼクティブフォーラムは、ItaniumベースのHP Integrityを核とした信頼性の高いエンタープライズサーバソリューションを提供するBusiness Critical Systems部門が開催するもので、アジアを代表する金融、通信の大手顧客らが集まった。

 「電話を掛けたり、ATMで現金を引き出すとき、そのトランザクションの多くは、われわれのシステムが担っている」とオープニングセッションで話したのは、Business Critical Systems部門のGMを務めるマーティン・フィンク上級副社長だ。

オープンソース&LinuxやNonStop部門も担当したフィンク上級副社長

 標準化と高性能化の波に乗るx86サーバに押され気味のハイエンドサーバだが、Itanium(EPIC)、RISC、およびメインフレームを合わせた世界市場は依然として270億ドルと巨大で、x86サーバの310億ドルにも引けを取らない。HP Integrityも今年第1四半期は前年同期比で37%の売り上げ増となっている。この2月には4ソケットの「HP Integrity BL870c」ブレードサーバを投入するなど、ハイエンド領域においても積極的にブレード化を図っている。

 従来のミッションクリティカルソリューションは、メインフレームや大型のUNIXサーバを見れば分かるとおり、サイロ化されており、柔軟性に欠けるものだった。メインフレームはともかくとして、UNIXサーバの平均CPU使用率は10〜20%ともいわれる。仮想化技術が脚光を浴びているのはこのためだ。

 「顧客らは、もっと柔軟性を、もっと処理能力を、そして、もっとモジュラリティーを求めている」とフィンクGM。彼は、ムーアの法則(Moore's law)ならぬ、「More」(もっと)の法則がミッションクリティカルな領域においても必然となり、それを実現するのが現在、同社が提供するAdaptive Infrastructureであり、その先にはUltra-Adaptive =「Polymorphic Computing」があるとする。

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