HP、「アダプティブ」の次は「変幻自在」の術HP Asia Pacific & Japan Executive Forum 2008(2/2 ページ)

» 2008年04月17日 07時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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スポーツカーやミニバンに姿を変えるクルマがあれば……

 耳慣れない「Polymorphic」だが、オブジェクト指向プログラミングで「ポリモフィズム」という言葉を聞いたことはあるかもしれない。「飛べ」と命令しても犬と鳩では異なる行動を取る、とでも考えればいいだろうか。「多態性」と訳されたりする。

 「クルマでも毎日ニーズが変わる。スポーツカーでデートもしたいし、ミニバンで家族をバケーションに連れていかなければならない。クルマを選ぶときに、決めなくてもいいとすれば、どんなにいいだろうか」(フィンク氏)

 コンピューティングもクルマと同じだ。一過性のもの、永続的なもの、トランザクショナルなもの……、ワークロードによって求められる仕様は異なる。HPが考えるPolymorphic Computingでは、今のコンピュータを構成しているCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークは、コンポーネント単位で切り離され、ワークロードの種類に応じて、最適なコンポーネントが選ばれ、組み立て直されるという。

 「ニーズを満たすために形を変え、具体的な問題を解決してくれる。ユーザーは、ワークロードをコンピュータに放り込むだけだ」とフィンク氏。

部品がワークロードに応じてダイナミックに組み立て直される「Polymorphic Computing」

 いささか夢物語のように聞こえるが、フィンクGMは基調講演後のインタビューでも大真面目で「4〜5年で完全に実現できる」と話した。実現のカギを握るのは、ラック間、ボード間、プロセッサ間をそれぞれつなぐオプティカル相互接続技術だとし、HPは包括的な研究開発に取り組んでいることも明かした。

 フィンク氏によれば、ある大手金融サービス会社では既に同様のビジョンをまとめ、実現に向けて取り組み始めているという。彼らはそのビジョンを「Magic」と呼んでいるらしい。

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