世界初のスパムメールは30年前、ARPANETの全ユーザーにあてて送信されたDECの宣伝メールだったという。
世界初のスパムメールの登場から5月初旬で30周年を迎えたとして、セキュリティ企業の米McAfeeとSophosがブログでスパムメールの進化について概説している。
初のスパムメールは、DECの営業担当者がインターネットの前身であるARPANETの全ユーザー393人にあてて送った新製品「DEC-20」の宣伝メールだったという。
それから30年を経て、スパムメールの内容は激変した。単純なテキストから難読化されたテキストへと変化し、フィッシング詐欺、マルウェア配布にも利用されるようになった。送信には特定ユーザーのアカウントではなく、ボットで制御されたコンピュータが使われるようになったとMcAfeeは解説する。
Microsoftのビル・ゲイツ会長は2004年当時、「スパムメールは2006年までに絶滅する」と予想したが、今に至っても一向になくなる気配はない。
McAfeeの筆者のクレイグ・シュムガー氏は個人的意見として、「インターネットサービスプロバイダー(ISP)とインターネットバックボーンのプロバイダーが協力して、スパムメールを発信源でふるい落とし、スパマーが利用している悪質ISPをブロックする必要がある」と指摘している。
一方、Sophosは最近実施した調査で回答者の11%がスパムメールで宣伝されていた商品を買ったことがあると答えたことを挙げ、受け取る側の問題を指摘する。
ユーザーがスパムメールに返信したり、スパムメールで宣伝されている商品や株を買ったりしなければ、「スパムメールを撲滅できるはずだ」とSophosはいい、Facebookに啓発用のグループを設置するなどユーザー側の意識向上を促している。
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