NECは、堅牢性や処理性能を高めた産業用途向けのノート型コンピュータ「ShieldPRO」の新製品を発表した。
NECは5月8日、産業用途向けノート型コンピュータ「ShieldPRO」の新製品となる「FC-N22A」を発表した。防滴性や衝撃耐性の強化、処理性能の向上を図っている。
ShieldPROは、生産設備の管理・制御システムや流通業などの受発注システム、災害時の緊急システムといった端末に利用されている。新製品はシリーズ3世代目だが、自社開発・製造モデルとしては2代目になるという(初代はOEMで販売)。
新製品は、屋外環境での利用拡大を目標に防塵・防滴性や衝撃耐性を強化した。防滴性は評価試験で洗車機の水量に相当するIP55の基準をクリア(動作保証対象外)したほか、衝撃耐性は高さ90センチからの落下試験でも正常動作を確認している。
タッチ操作に対応した液晶画面はバックライトにLEDを採用。画面輝度は0.5〜750カンデラで、倉庫内などの暗い環境や直射日光下の屋外環境での使用に耐える視認性を実現したという。HDDに車載用モデルを採用したほか、低温特性が特徴のバッテリーセルを採用し、氷点下50度の環境でも起動できる(動作保障は氷点下20度まで)としている。
CPUにはIntel Core 2 Duoを採用し、処理性能は従来モデルに比べて40%向上した。このほか、BluetoothやExpress Cardへの対応、HDD交換の改善、USB端子の配置変更など、運用性を向上させる改善も図っている。オプションでは天板を7色から選べるほか、シリコンディスクドライブモデル、12時間の連続駆動ができる拡張バッテリーを設定し、使用用途に応じて260パターンから仕様を選べる。
放送・制御販売本部の前嶋宏本部長によれば、2007年1月に発売した従来モデルは国内外で約3000台を販売し、国内シェアで10%前後を確保した。「満足はしていないが評価できる数字。新製品で販売数・シェアを一気に高めたい」という。
新製品では従来用途に加え、電気・ガス・水道などの保守・点検やテレビ中継での映像編集、屋外計測などでの利用拡大を見込む。今後2年間で5万台の出荷を計画する。価格はオープンながら、想定価格は30万円前後。カラーバリエーションなどは一定数以上から受注する予定だとしている。
製品名 | FC-N22A |
---|---|
CPU | Intel Core 2 Duo 超低電圧版 U7500(1.06GHz) |
チップセット | モバイル インテル GME965 Express、ICH8-M |
セキュリティチップ | TPM v1.2準拠 |
メモリ | 最大4Gバイト |
ディスプレイ | タッチパネル機能付き12.1型TFTカラー液晶ディスプレイ(XGA) |
HDD | 80Gバイト/40Gバイト(選択式) |
シリコンディスクドライブ | 20Gバイト |
キーボード | 標準、バックライト付キーボード(日/英選択可) |
インタフェース | USB×3、IEEE1394(4ピン)、IEEE1394a、 |
LAN | 有線10/100/1000BASE-T、無線IEEE802.11a/b/g |
無線通信暗号化 | WEP/WPA-PSK/WPA2-PSK |
ワイヤレス | Bluetooth Ver.2.0+EDR(Class 2) |
カードスロット | SDメモリーカード/メモリスティック/PCカードスロットTypeI/II、ExpressCard/54 |
セキュリティ機能 | DeviceProtector、HDD暗号化ユーティリティ、HDDデータ消去ツール、指紋センサー |
バッテリー駆動時間 | 標準タイプ:約8時間、広温度範囲タイプ:約9時間、スタミナタイプ:約12時間 |
サイズ | 幅290×奥行き255×高47ミリメートル |
質量 | 約2.5キロ(標準タイプバッテリー) |
OS | Windows XP Professional Service Pack 2(日/英選択可) |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.