ニール・ヤング――じいさんはJavaを使う伝説になったロック歌手のために

Javaは“じいさん”が人生を振り返ることを可能にした。「Old Man」で伝説となったロック歌手のために……。

» 2008年05月09日 12時03分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 じいさんは人生を振り返った――Javaテクノロジーを使って。

 1972年のヒット曲「Old Man」で伝説的ロック歌手、ニール・ヤングは歌った――「じいさん、俺の生き方を見てくれ。あんたの生き方とそっくりだろう……」。今ではそれなりに“じいさん”になったヤング氏は、45年間にわたる自分の音楽活動の記録をBlu-rayディスクにまとめた。同氏がこの作業で利用したのはJava技術だ。

 ヤング氏は5月6日、Sun Microsystemsのジョナサン・シュワルツCEO兼社長および同社ソフトウェア部門のリッチ・グリーン執行副社長とともに、サンフランシスコで開催の「JavaOne」カンファレンスの開幕キーノートの壇上に立ち、新しいアーカイブプロジェクトを発表するとともに、リリース予定のBlu-rayディスクボックスセットのインタラクティブ機能の一部のデモを行った。

 ヤング氏は、Blu-rayディスクで提供される「Neil Young Archive」シリーズのリリースに向けた同氏とSunおよびReprise/Warner Brosとのコラボレーションについても語った。詳細はこちらに掲載されている。

 ヤング氏によると、制作期間が15年余りに及ぶNeil Young Archiveは、ヤング氏の音楽活動を時系列形式で記録した総合的な伝記であり、公開および未公開の曲が年代順に収められている。Sunの担当者によると、Blu-rayとJava技術により、ユーザーは高音質の24ビット/192kHzオーディオを再生しながら、ヤング氏の音楽、映画、ビデオ、個人的記録、記念品、写真、手紙、手書きの原稿などを閲覧することができる。これにより、創作プロセスを年代順に把握し、ニール・ヤングの人生と仕事を通して同氏の音楽的ソウルの遍歴を実感できるという。

 ヤング氏によると、Blu-rayフォーマットは24ビット/192kHzという極めて高音質のオーディオと高解像度のビデオを実現し、オリジナルのアナログ原盤の品質を現時点で最も優れたデジタル形式に取り込むことができる。Neil Young Archiveの最初のリリースは10枚のBlu-rayディスクのセットで、この秋にReprise/Warner Bros. Recordsから発売される。このリリースは1963〜1972年のヤング氏の活動を収録したもの。

 「これまで、ディスクに保存された資料を閲覧しながら高音質の曲を同時に聴く方法がなかった。技術がそこまで進化していなかったのだ。わたしは、ユーザーがビジュアルな資料を見ながら高音質の音楽を体験することが重要だと考えている。従来の技術では、品質面で許容できない妥協が求められた。きちんとしたものができるまで待っていてよかった」とヤング氏は語った。

 「この年代記的資料をビデオゲームのような形で体験できるようにするには、技術が必要だった。そしてJava技術は、ほんの数年前には不可能だったことを可能にした。Javaを利用すれば、音楽を再生しながら記録を閲覧することができる。1980年代にこれをやりたかったのだが、DVDでは不十分だった。われわれは技術に負けたのだ」(同氏)

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