元IBM倉重氏がコンサル企業設立、2000人規模を目指すコンサルティングに返り咲き

三菱商事とRHJインターナショナルが共同出資して5月9日に設立したシグマクシスはICTを活用するビジネスコンサルティング企業として事業展開することを明らかにした。

» 2008年05月21日 08時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 三菱商事とRHJインターナショナルが共同出資して5月9日に設立したシグマクシスは5月20日、都内で記者発表会を開催し、ICT(情報通信技術)を活用するビジネスコンサルティング企業として事業展開することを明らかにした。2009年3月末に300名程度、5年後をめどに2000人規模に育てる。

倉重CEO(中)と垣原弘道COO(右)。役員の小松孝一氏(左)は三菱商事の代表取締役を務める。資本金と資本準備金はそれぞれ10億円。三菱商事が51%、倉重氏が会長を務めるRHJが49%を出資

 倉重英樹CEOによると、当初は三菱グループ向けのサービス提供の比率が高くなる可能性があるが「三菱向けに設立したのではなく、あくまでも外に打って出るのが目的」という。対象とする産業は金融、製造、流通を含めた消費財、通信、情報、メディア、サービスなどと幅広い。

 日本IBM副社長、プライスウォーターハウス会長、IBMビジネスコンサルティングサービス会長などを務めた倉重氏は「IBMやAccentureといった大手と競争できる企業に早く育てたい」と話している。

 新会社のコンセプトは「アグリゲーターとして、顧客がビジネスに必要とするITを提供する会社」という。顧客企業のビジネス部門と技術部門の間を仲立ちし、ITに関するノウハウなどを含めた解決策を集めてくるというビジネスモデルを考えている。「従来のようなベンダー、企業内の情報システム部門やシステムインテグレーターなどがビジネス部門に働きかける手法とは異なる」としている。

 想定する売り上げ規模について「この業界は1人が年間2000万円を売り上げるのが標準値。2000人とすると単純計算で400億円くらい」を目安として考えているという。実際には、顧客満足度などの尺度で評価し、収益から数%など決められた割合の報酬を請求する成功報酬型のサービス提供を展開する。

 倉重氏は「プライスウォーターハウスおよびIBMビジネスコンサルティングサービス時代はERPやSCM(サプライチェーンマネジメント)が全盛だった。現在はインターネットでかなり広範囲のことができるようになっている」と技術に関する考えを話した。

 倉重氏は1966年日本IBM入社後、1993年に取締役副社長に就任し、同年に退任した。その後、プライスウォーターハウスコンサルタント会長、2002年には米IBMとPwCコンサルティングの統合によりIBMビジネスコンサルティングサービス会長に就任した。2004年2月に日本テレコムの社長に就き、2006年10月に退任後、RHJIインダストリアル・パートナーズ・アジアの社長、RHJインターナショナル・ジャパンの会長を務めた。

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