Yahoo!はMicrosoftに売却するためだけにSearchMonkeyを開発するだろうか?
Wall Street Journalが、Yahoo!が検索広告事業をMicrosoftに売却することを考えていると報じている。
この提案は、Microsoft幹部がおそらく、Yahoo!のジェリー・ヤンCEOとその仲間――Microsoftの最初の買収提案を食い止めることに成功した――は愚かで捨て鉢になっていると考えていることを示しているとMicrosoft Watchのジョー・ウィルコックスは指摘した。この上なく的を射た意見かもしれない。
ウィルコックスの言うとおり、検索はYahoo!の重要事業だ。
このため、Yahoo!は検索――SearchMonkeyと呼ばれる取り組み――をYOS(Yahoo! Open Strategy)の一番手にした。
YOSはYahoo!のソフトウェアインフラを「rewire(つなぎ直す)」して、5億人のユーザーを引き留めるのみならず、GoogleやMicrosoftからユーザーを奪う、あるいは少なくともユーザーに時間の一部を割いてもらえるソーシャルサービスを作り出す立て直し計画だ。
Yahoo!は5月15日にSearchMonkeyを正式に立ち上げた。検索プラットフォームを開放して、サードパーティーのプログラマーがYahoo!の検索エンジン機能を使ったウィジェットを開発できるようにするというものだ。検索をカスタマイズしたいユーザーはそうしたウィジェットを利用する。
つまりGoogleやMicrosoft Live Searchでは青いリンクや画像が表示されるのに対し、Yahoo!ではレストランのリストと一緒に、ページ上のツールバーに画像やレビュー、ユーザーの評価、道順などの便利な情報が表示される。
こうしたより包括的な検索は、ユーザーが何かを見つけたときに、どうしたいかを決めやすくしてくれる。SearchMonkeyは、ユーザーへのリーチ、トラフィック、広告インベントリ、広告売り上げを拡大すると期待されている。
Yahoo!はMicrosoftに売却するためだけにSearchMonkey――Yahoo!の業績を改善するための3方向戦略の第一弾――を開発するだろうか?
eWEEKはそうは思わない。たとえGoogleがYahoo!に検索市場で40%かそのくらいの大差を付けて勝っていても、Yahoo!は本気で競争していくつもりだという事実をSearchMonkeyは強固にしている。
これに対し、MicrosoftはSearchMonkeyを最先端かもしれない戦略変更と見なしている可能性が高い。
おそらく、検索広告でGoogleに追いつこうと躍起になっているMicrosoftが、Yahoo!の事業の重要な部分だけを受け入れようとしている理由はそこにあるのだろう。Microsoftは、Google追い上げには今のYahoo! Searchが必要だと考えているかもしれないが、SearchMonkeyは成功すればGoogleとの差を縮める武器になり得る。
IDCのアナリスト、カルステン・ウェイド氏は次のように述べている。「IDCは、もし現実のものになれば、YOS戦略は同社が再びGoogleの長期的な有力ライバルになる後押しになると確信している」
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