ミラー氏の下で約500人のアニメーターたちがさまざまな場所で働いているが、その大半はサンフランシスコ・ベイエリアに居住している。DreamWorksの2つのキャンパスは、ゴールデンゲートブリッジを見下ろすサンフランシスコのプレシディオ地区とレッドウッドシティから南に車で約30分の距離の場所にある。
映画制作中は、作品全体の各種パーツ(背景、メインキャラクター、風景、マイナーキャラクターなど)が絶えずDreamWorksのメインデータセンターに送信、処理されるので、アシスタントディレクターやプロデューサーをはじめとする同社スタッフは、これらのパーツを見てコメントすることができる。
「膨大な量のビデオを保存する必要があり、捨てるものは何ひとつない」とミラー氏は話す。「例えば、90分の映画には12万9600のビデオフレームがある。ほとんどのシーンの長さは5分以下だ。しかし最終的に切り詰められて、ストーリーを構成する作品全体の一部として融合するまでには、はるかに大量のアートワークが作成、処理される。われわれは基本的に、ファイルベースのスーパーコンピューティングを行っているのだ」
ミラー氏は、データセンター内の古い機器を長期にわたって維持するのは好きではないようだ。
「コンピューティングパワーとI/Oスピードは、約4年ごとに飛躍的に増大する。全部捨てて新しいハードウェアを買うのがベストだと思っている。1年ほどで元が取れるからだ」と同氏は話す。
もちろん、これらのサーバ、ワークステーション、ノートPCのほとんどは、実際に捨てられるわけではなく、リサイクルに出されるのである。
ミラー氏によると、サンフランシスコにある同社の約2300平方メートルのメインデータセンターはこれまで物理的に拡張する必要がなく、今後も当分、拡張しなくても済みそうだという。
「すべてのハードウェアは小型化、高密度化、高速化する一方だ。実際、9年前にスタートしたときよりもずっとわずかなスペースしか使っていない」と同氏は話す。
DreamWorksでは、データストレージ用にNetApp、IbrixおよびHewlett-Packard(HP)の製品を使っている。ワークステーションは7年前からHP製品を使っており、現在は非常に強力なIntelのデュアルコア「Woodcrest」プロセッサを搭載したモデルを利用している。
DreamWorksはどれだけのストレージを保有しているか把握しきれないようだ。どのくらいの頻度で新しいストレージを購入するのかという質問に対して、ミラー氏はすかさず「ストレージはもはや購入判断の対象ではない――日用品なのだ」と切り返した。
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