裏サイトは、フィルタリングなどで隠すだけでいいのだろうか――四川大地震、Yahoo! によるGoogle不正サイト化、XP SP3不具合、エコ、未来のテレビなど、オルタナブロガーはITにまつわる時事ネタを日々発信している。
四川大地震が発生してから2週間以上が経過した。
奥川浩彦氏「広報コンサルティング+ライターで独立しました」の中国 四川大地震に思うは、今回の地震で多くの建物が全壊した様子を見聞きして、「やっぱり」と思ったと述懐している。奥川氏は3年ほど前に中国出張記(前編)を投稿しており、中国で建築中の建物を見てあぜんとしたというのだ。今回の地震報道の中で、「豆腐工法」という手抜き工事のことを目にしたが、それは実感としてあるようだ。
今回の地震では、建物の倒壊といった点で注目が集まった。学校などが倒壊するシーンを目にしながら、果たして日本ではどうなのかといったことも話題になっている。オルタナブロガーでも、佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」のそのときあなたは帰宅できますか? といった投稿があった。近年は、あらゆる業種で、中国本土と連携を持つことが増えている。従って、今回の地震が与える影響は、佐々木氏が述べるように直接的なものがなくとも、ジワジワと出てくることは否定できない。
同時に、同じような地震がいま、日本、ことに首都圏で起きた場合、果たしてどうなるだろうかと思うと、思わず身震いしてしまう。日ごろからシミュレーションをして、備えていく必要があるだろう。対岸の火事では無いのだから。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」の東京も意外と風雨にめちゃ弱いなあ・・・(苦笑にもあるように、風雨でさえも影響を受けてしまうほど、都心部の足腰は弱いのだ。
山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」の国のお墨付きの重要なインフラは、自分のパソコンのトラブルから、重要なシステムにおけるトラブルのことを考察しているが、いくら堅牢なシステムを構築しても、四川大地震のような災害が発生した場合、どうなってしまうだろうか。分散システムも含めて、しっかりとしたインフラ整備が取られているのかどうか、あらえためて考えてみたい。
このような自然災害が発生したとき、われわれは何ができるだろうか。辻俊彦氏「キャピタリストの視点」のワンクリックが世界を救うは、ネットでの寄付の話を紹介している。筆者も、広告をクリックすることで自動的に寄付されるものを利用したことがある。また、たまったポイントを交換する先として、寄付に充てるものもある。小さなことからコツコツと。少ないポイントを死蔵して期限を切らしてしまうくらいなら、賛同できる先にポイントを寄付するのもいいだろう。
160組近くのオルタナティブ・ブロガーが、ITにまつわる時事ネタなどを日々書き綴っているのが、ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」だ。この「オルタナティブ・ブログ」への膨大な投稿の中から幾つかをピックアップして、読者へとナビゲーションする目的で連載しているのが、「オルタナブログ通信」である。
今回は、5月15日〜21日にかけて投稿された中から、冒頭で取り上げた「四川大地震」のほか、「学校裏サイト」「XP SP3」「エコロジー」「DVD-R」「かぐやとアポロ」「テレビ番組」などのキーワードに注目した。読者が「オルタナティブ・ブログ」を読む際の参考にしてほしい。
ここで5月15日〜5月21日を5月3週とした、オルタナティブ・ブログの可視化グラフを見ていただきたい。
今回は、前回と比べて少し落ち込んだものの、微減であって多くの投稿数があった。5月20日にはK・Kコンサルティング株式会社代表取締役・田中一彰氏「あるコンサルタントのつぶやき」が新たにオルタナブロガーとして参加し、今後の投稿にも注目していきたい。
ここで5月12日〜5月18日の週間アクセスランキングから、注目点をピックアップしてみたい。
1位と2位には、吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」の、娘を攻撃する学校裏サイトに親としてメッセージを書いた結末と学校裏サイトで娘が実名で攻撃され、父としてメールを送ってみた。がランクインした。最近何かと注目される学校裏サイトの話題だが、タイトル通り吉田氏の投稿は、ほかとは少し様相が異なっている。これに関しては、この後取り上げたい。
そして、前回取り上げた三菱東京UFJ銀行のシステムトラブルに関して、ベスト10内に4本の投稿がランクインした。やはり読者の興味・関心も高いようだ。3位に障害発生が「当たり前」という銀行システム統合、本当にそれでいいの? (情報インフラ24時 眠らないシステム)、4位にテストが甘いのよ(谷誠之の 「カラスは白いかもしれない」)、7位に三菱東京UFJの件、原因はわかったが理由が知りたい(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)、そして10位に「テスト不足m9(^Д^)プギャー」でいいの? (シロクマ日報)といった具合だ。
それでは、5月15日から5月21日にかけて、オルタナブロガーたちが注目して来た話題とは何か。幾つかのキーワードを軸にして振り返ってみよう。
米Microsoft(以降MS)による米Yahoo! (以降Yahoo!)買収騒動というのは、もともとコンピュータ業界におけるMSの比重が、ネット発達の中で下がっていくことに対しての1つの防衛策の側面もある。急成長を続けるGoogle対抗策として、Yahoo! と組むことでそれを解消しようというものだった。その後、新たな局面を迎えているが、根底は変わらないだろう。
そして、面白い話がオルタナブロガーから報告された。ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」のYahoo!のSearchScanがGoogleを不正サイト扱いである。あくまでもβ版テストでの話だが、Yahoo! のWeb検索で、Googleを不正サイト扱いするとは……単純なミスなのか、それとも――。
一方MSはWindows XPのSP3を公開したが、いろいろとトラブルが発生していることを、前回取り上げた(関連記事)。しかし、新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」のXPのサービスパック3不具合解明←該当しない私という投稿もあり、なかなか一筋縄ではいかないようだ。
その中で、谷誠之氏「谷誠之の 「カラスは白いかもしれない」」のソフトウェアの違法コピーについてという投稿に注目した。MSなどのアプリケーションを提供する事業者は、いかにして不正コピーをなくしていくかということに腐心しているが、「なぜ不正コピーがまん延するのか」という部分に着目して対処しないと、結局はユーザー離れを起こすだけになってしまうのかもしれない。
先日、トヨタグループがパワーポイントの利用を制限するのではないかというニュースが報じられた。これに対して山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」のパワーポイント自粛令に少し賛成という投稿があったが、なかなか注目すべき点もあるようだ。しかしこれが実現され広がってしまうと、またしてもMSなどは頭を抱えることになるのだろうか。
ユーザーに不正なく快く使われるシステムを、環境に配慮しつつ考えていかなければならないだろう。
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