コラム
» 2008年06月02日 09時01分 公開

Weekly Memo:ニンテンドーDSは情報端末に化けるか (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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教育機関で広がりそうなDSの情報端末活用

 筆者がこの実験サービスに興味を持ったのは、昨年暮れ、とある大学でDSを活用した教育学習支援システムを取材した際に、情報端末としてのDSの可能性を強く感じたからだ。その大学では全学生・教員向けのポータルサイトとeラーニング環境を提供する同システムの端末として、PCとともにDSも適用。DSはすでに多くの学生が所有しており、常に携帯していることもあって、同システムの利用率アップに貢献していた。また、講義においてもDSは有効活用されていた。とくに大人数の講義であっても双方向でやりとりできることから、教育効果がアップし教授法の改善にもつながるという話が印象的だった。

 実はこの大学に、DSを端末として活用することを提案したのは、大手システムベンダー系のソリューションプロバイダーだ。教育学習支援システム構築の一環だが、その提案が採用されてDSが持つ無線通信機能や汎用ブラウザをもとに同システムの専用端末として仕立て上げた。もちろん、任天堂との使用許諾の交渉にもあたった。

 この事例では、利用者である学生の多くがDSを所有している、もしくは慣れ親しんでいるという実態がベースにあるので、今後この大学のような教育機関では、同様の活用方法が拡大する可能性はある。しかし、エンタープライズ分野にポテンシャルがあるかといえば、分からない。ただ、「脳トレ」の人気で老若男女を問わず普及したDSの新たな需要を掘り起こすビジネスチャンスは、まだいろいろとあるように思えてならない。そこは任天堂にとっても、新たなパートナー戦略などを考えるターニングポイントになるだろう。

 はたしてDSは情報端末に化けるか。可能性は大いにある。ぜひ注目しておきたい。

松岡 功

まつおか・いさお ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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