ITmedia SAPのソフトウェアを利用する理由は?
ガルバニ Sidelでは10年前にSAPのERPを導入しました。数年前、ビジネス部門が、自分たちで見つけたSAP以外の製品とともに、ERPを超えた機能を要求してきました。値段が安く、実装は短期で終わり、ユーザーフレンドリーというのが理由でした。
これが私にとっては、プロジェクトのスタート地点となりました。私は、どのようなプロセスが必要なのか、どのレベルの統合が必要なのかなどの要件をビジネス側に聞きました。ツールが増えると、必ず問題となるのが統合です。各分野に最高のツールを利用しても、統合が問題となって最悪のソリューションになりかねません。「Best of Breed」は「Best of Class」と同義ではありません。
その後、土台にERPがあったことから、SAPの製品の中から適合するものはないかを探しました。SAPやSAPの顧客とやりとりしながら、SNCが利用価値のあるツールだと確信しました。ツールを導入しても、使わないと意味がありません。
「as if」でソリューションを導入したところで、享受できるメリットは5〜10%に過ぎません。ビジネスを取り巻く環境は厳しくなっており、これでは競争に勝てません。ビジネスを変えるようなソリューションであれば、最低でも30%のメリットを得られるでしょう。いまの企業に必要なのは、革新的な情報システムです。SAPの顧客を訪ねましたが、革新的な情報システムはそれにとどまらない潜在力、メリットがあると実感しました。
ITmedia 今後の目標は?
ガルバニ 現在欠けている点として、サプライヤーのバックエンドとの連携です。特に、Siemensのような大企業であれば、そこのバックエンドシステムと直接連動できれば、クローズドループが完成します。技術的には可能ですが、これは現在のプログラムの目標ではありません。
サプライヤーの中からは、このようなバックエンドとの連携のニーズがあがっています。これが実現すれば、直前の変更にも対応できるようになります。
「手軽に導入できるSAP」を中堅企業に届ける
「SAPはハードルが高い」というイメージが払拭されつつある。長期的な費用を考慮すると、SAPは実は安価と考え、SAP Business All-in-Oneを導入する中堅企業が増えている。SAPが提供する実現機能確認シートに注目だ。一覧をチェックすれば購入前に費用の詳細が分かる。機能追加の際の費用も「見える化」できる。
なぜSAP ERPを導入するのか――女性衣料品通販ピーチ・ジョンの場合
ピーチ・ジョンは、女性向け下着などのカタログ通販で人気を集める。ピーチ・ジョンが、2009年の稼働を目指してSAP ERP導入プロジェクトに取り組んでいる。ネット販売店舗が急拡大し、継ぎ足すように対応してきたシステムをSAPでどう変えていくのか。2007年11月のワコールの完全子会社化に伴い内部統制強化も課題となっている。
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