ブラフィング戦略は嫌われる――セルフコーチングでスッキリ職場活性化術講座(4/4 ページ)

» 2008年06月06日 10時02分 公開
[徳岡晃一郎,ITmedia]
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相手の立場に立つことで自分が分かる

 最後に3つめですが、相手を動かすのは、命令や脅迫ではないので、相手に納得してもらわねばなりません。そのためには、自分の主張を相手の立場に立って、語ってあげることが必要になるのです。これが「相手視点のコミュニケーション」と言われるものです。つまり、相手の関心事項や悩みに沿って話を展開してあげるわけです。そのためには、自分の言いたいことをざっくりと規定した上で、自分の悩みとして相手に話しかけ、相手の意見を聞くことが効果的です。それにより、相手の関心事の文脈で自分の意見を整理していくことができます。よく、他者と話していると、「あっ、自分の言いたいことはそれだよ!」と気づくことがあると思いますが、まさしくそういう気持ちになる状態です。こういう相互作用や、相手の思いをくみ取る中で、自分の言いたいことを明確にしていくのです。これは先ほど述べたブラフィングとは違い、相手を立てて、相手の思いを真摯に受け止めようとするものです。自分の謙虚さが重要です。でなければ相手も心を開いてくれません。

 このように、自分のメッセージを固めていく戦略を身につけると、コミュニケーション戦略の第一歩が始まります。次回はその発信戦略についてお話しましょう。

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プロフィール

とくおか・こういちろう 日産自動車にて人事部門各部署を歴任。欧州日産出向。オックスフォード大学留学。1999年より、コミュニケーションコンサルティングで世界最大手の米フライシュマン・ヒラードの日本法人であるフライシュマン・ヒラード・ジャパンに勤務。コミュニケーション、人事コンサルティング、職場活性化などに従事。多摩大学知識リーダーシップ綜合研究所教授。著書に「人事異動」(新潮社)、「チームコーチングの技術」(ダイヤモンド社)、「シャドーワーク」(一條和生との共著、東洋経済新報社)など。


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