日本IBM、企業向けのマッシュアップ新製品を発表

軽量なWebアプリケーションで活用されるスクリプト言語をサポートしたマッシュアップ製品を日本IBMが発表した。

» 2008年06月13日 11時13分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは6月12日、GroovyとPHPを利用したマッシュアップ開発/実行環境を提供するミドルウェア製品「WebSphere sMash V1.0」、およびメッセージングなどの拡張機能を持つオプション製品「WebSphere sMash Reliable Transport Extensions」の日本語対応版を発表した。共に6月20日から出荷する。

 WebSphere sMash V1.0の開発環境は、GroovyおよびPHPの言語仕様をサポート。DojoツールキットをベースにしたビジュアルUIエディタを用いてRESTスタイルのサービス呼び出しを用いたWebベースのアプリケーションを開発できる。同社理事でソフトウェア事業WebSphere事業部のデイビット・ベイト氏は、「これまでマッシュアップ技術は個人ユーザー向けが多かった。新製品では、CRM(顧客情報管理)システムや財務会計データといった企業内コンテンツと、株価データや競合企業情報などWebベースのコンテンツを組み合わせることができるため、企業ユーザーを対象に考えている」と、製品特徴を語った。

ソフトウェア事業のマッシュアップ戦略を説明するデイビット・ベイト氏 ソフトウェア事業のマッシュアップ戦略を説明するデイビット・ベイト氏

 マッシュアップ技術を企業のアプリケーションで適用できるよう製品開発に取り組んできたIBMだが、2007年6月には、同社の新製品開発プロセスを公開し、多くの開発者のフィードバックを得ながら開発を進めるという新たな製品開発プロセスを実現するためのコミュニティー主導のインキュベータープロジェクト「Project Zero」を発足。今回の製品はそこから製品化されたものとなっている。Project Zeroでは、WebSphere sMash Developer Editionを無償でダウンロードできる。ただしこちらはIBMによるサポートはなく、実行できるアプリケーションの数などの制限がある。

 同製品にもみられるRESTの利用やアジャイル環境の提供といった動きは、例えば、Rational製品にも波及している。IBM Rationalは先日開催された「IBM Rational Software Development Conference 2008」で初披露となったJazzベースにして初の商用製品「IBM Rational Team Concert 1.0」でもRESTを全面的に採用しており、アジャイル環境のサポートも公言していた。Project Zeroの動きからは、同社の大まかな方向性を確認できるといってよいだろう。

 WebSphere sMash V1.0の価格は143万円からで、1年間のバージョンアップ・保守料金を含む。Reliable Transport Extensionsは、28万6000円から。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ