まだ携帯コンテンツ市場が今ほど成熟していないころ、Infoseekが携帯メールの本文に検索語を入れて送ると、その結果のURLが返ってくるというサービスを発表したことがあった。仕事をしながらそのニュースを見た大沢は、「検索結果のURLじゃなく、フルの結果を返せよな−」と考え、昼からの仕事をサボりながらその実装を開始。夕方には完成させた。ニュースサイトの幾つかはそれをニュースとして取り上げたため、Infoseek担当者を涙目にさせたこともある。技術的に高水準かどうかは別にしても、当時それをノリでやってしまったのが大沢の大沢たるゆえんなのかもしれない。
「お金持ちになりたいとか、いい暮らしをしたいとか、そういうのはないですね。いいもの、面白いものを作って、現代の価値観でいえばはてブ1000usersとかそういうのがいい」(大沢氏)
―― iYappoを10年近く続けてこられて思うことはありますか?
googleとかYahoo!とかに負けっぱなしは嫌だなぁ。という感じですかね。総括はiYappoの店じまいするときにでもゆっくりしたいですね。たかだか1億未満の金で売らなくて良かった。という生々しいオチはどうか lang:ja
―― 携帯電話市場のこれからを現実的な観点から想像してみてください
マジレスするとページが幾らあっても足りないので端折りますが……。
まずは、守るものだらけで柔軟性がなくなっている2大キャリアと、最初っから守る物がないその他という図式が出てくるんじゃないでしょうかね。で、この二勢力による戦いが起こるわけですが、全社が協力していかないと衰退するばっかりじゃないですかね。
ドコモには開国派と鎖国派みたいな感じの勢力があるとどこかで読んだことがありますが、ぜひ開国派の方にがんばっていただき、公式メニューなどの枠組みをあきらめてほしいです。KDDIは、ひところのきらびやかな感じから少し落ち目になっている気もするので、がんばってほしいですし。iPhoneを手に入れたソフトバンクは勢いがあるかもしれませんね。
コンテンツの方に目を向けると、相も変わらずテレビ業界出身のコンテンツ会社さんなんかが頑張ってブーム作ったりするんじゃないでしょうか。ぶっちゃけモバイルコンテンツ屋さんというのは、技術いらないって面が強過ぎるところがあるから、モバイル業界の表は面白みないんですよね。裏方だと少しは面白みもあるけども。
そしてフィルタリングの話ですね。モバイル業界黎明期から総務省はさまざまな会社や団体から意見聞いてたりフォーラムとかカンファレンスに参加してたんですが、行政として目立ったことは全然やらないでゆったりしてるなぁと思っていたら今回の規制ですよね。「ゆっくりしていった結果がこれかよ!」って感じでドン引きしてます。
こちらサイドとしては、くだらない独自仕様とか規制とかクローズドな体質を辞めてオープンにしろよと思っているのですが、本人たちにしてみると大事な既得利権やらがなくなってしまうので死にもの狂いで守りたいんでしょう。自分で自分の首を絞めてる体質を変えなきゃ先が暗いんじゃないでしょうか。
いわゆるPCコンテンツ陣営(Google、はてな、livedoor)とかがモバイルに浸食してって気づいたら戦場が奪われていた。なんてことになりそうですね! もうなってるか。
―― インターネットという世界において、自分は何を成し、またはこれから成していくだろうと予想されますか?
何だかんだで日本のモバイル検索業界にインパクトを与えたんじゃないかなぁと思います。自分は大器晩成なので、今後は世界的にインパクトを与えると思っています。
―― 巨大なコンピュータリソースが与えられたらどんなことがしてみたいですか?
まず今の会社を速攻で辞めてオレオレGoogleを作ります。オレオレGoogle作りはすぐ飽きると思うので、今度はユーザーがアクションしなくても検索結果が出てくる仕組みを作って起業します。
今、優れた開発者とチームを組んで新しいプロジェクトを手掛けるとすればgihyo.jpのサイトを高速化して使いやすいものにするプロジェクトをやりたいですね。gihyo.jpに寄稿してる人たちが協力して本気出せば可能だと思ってます。
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