2008年上半期はマルウェアが急増、F-Secureが報告

2007年に50万件だったマルウェア検出件数が、2008年は上半期だけで90万件に達した。

» 2008年06月26日 08時14分 公開
[ITmedia]

 マルウェアがかつてないペースで増加しており、2008年上半期には90万件が検出されたとするセキュリティ報告書を、フィンランドのセキュリティ企業F-Secureが6月24日に発表した。

 同社は2008年上半期のセキュリティデータをまとめた報告書で、マルウェアが史上最速のペースで増えているとしている。2007年に50万件だったマルウェア検出件数が、2008年は上半期だけで90万件に達したという。この増加は必ずしも新種のマルウェアが出現したためではなく、主に既存のマルウェアの亜種の暗号化や難読化によるものという。

 特定の個人や企業を狙ったターゲット型マルウェア攻撃も増加した。この種の攻撃では、攻撃者は標的の情報を入手し、それを利用してもっともらしく見える偽メールを送る。この手の攻撃が政治的な目的に利用されることもあり、3月にはチベット支持をうたう偽の電子メールが出回った。

 このほか今年上半期には、Mebrootと呼ばれる新手のマルウェアが出現した。マスターブートレコード(MBR)に感染するrootkitで、システムの改ざんを最小限に抑えて、検出されにくくしているという。「マルウェア2.0」と呼ばれるStormワームも、P2Pを使って分散型のボットネットを作るなど、手口を進化させている。

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