チベット支持者を狙うサイバー攻撃が発生

何者かがチベット支持をうたう電子メールを利用して、マルウェア付きの添付ファイルをチベット支持者に送りつけている。

» 2008年03月24日 14時23分 公開
[ITmedia]

 チベットで起きているチベット人と中国政府の衝突が、インターネットにも飛び火している。

 フィンランドのセキュリティ企業F-Secureは3月21日、チベット支持者を標的とした攻撃が起きていると伝えた。

 攻撃は世界中のチベット支持団体を標的に、メーリングリストやフォーラム、個人あてに不正なファイルを添付した電子メールを送る形で行われている。1カ月の間に何度もこうしたメールを受け取ったという人もいる。

 攻撃メールはヘッダを偽造し、信頼できる組織や人物からのメッセージを装っている。添付ファイルはWord、Excel、PowerPoint、PDF文書などで、実際のチベット支持団体の声明文などを再利用して、マルウェアを組み込んでいる。

 例えばF-Secureが入手した攻撃メールは、発信元が国連のUNPO(諸国家諸民族連合)に似た「Unpresented Nations and Peoples Organization(UNPO)」という組織になっている。メールはチベット住民の団結宣言となっており、PDF文書が添付されている。このPDF文書はAdobe Acrobatの脆弱性を悪用した細工が施されており、開くとキーロガーが実行される。「何者かがチベット支持をうたう電子メールを利用して、チベット支持団体のメンバーのコンピュータに感染して、その行動をスパイしようとしている」と同社は指摘している。

添付ファイルの一例

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