泥沼の新銀行東京、システム投資をどう減らすのか「石原銀行」の情報システム(1/2 ページ)

石原慎太郎都知事が400億円の追加出資を要請するなど経営破たんの危機に瀕する新銀行東京。「ランニングコストを減らさないと再建できない」と神妙に話す広報担当者に聞いた。

» 2008年03月19日 08時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 石原慎太郎都知事が400億円の追加出資を要請するなど、経営破たんの危機に瀕する新銀行東京。「ランニングコストを減らさないと再建できない」と神妙に話す広報担当者、福田氏に聞いた。

 新銀行東京は3月までの2007年度に、150億円を情報システム、店舗の統廃合コストを含めた営業経費として費やした。このうち、情報システムに掛かっている費用は30〜40%にも上るという。仮に40%とすると、営業経費だけでも60億円も情報システムに使っていることになる。一部メディアの報道では、システム全体の投資額は124億円に上っているとの指摘もされている。

新銀行東京の融資および保証の状況(同社サイトから)

 経営再建計画の中で、この営業経費を2011年度に26億円にする計画だ。仮に、システムに掛かる費用の割合を2007年度と同じと見た場合、情報システムの構築、運用に掛かる費用は10億円強ということになる。営業経費で掛かるシステム投資だけで50億円も減らさなくてはいけない計算になる。

 既に店舗外に設置したATM全126台の稼働を停止した。「店舗数が減ればその分業務が簡素化するため、大きなシステムは必要なくなる」(福田氏)。

 新銀行東京のシステムの構築、運用は現状、日立製作所とNTTコミュニケーションズが手掛けている。基幹システムとして稼働しているのは日立製作所のメインフレームだ。

 システムの簡素化にあたり、メインフレームを撤廃するのかといえば「預金もある。銀行を運営する限り、簡単には(メインフレーム)をなくすことはできないのも現実だ」(同氏)という。

 基本的には徹底したコスト削減が再建策の柱になる。3種類提供していたクレジットカード一体型のICカードの発行をやめ、すべて普通のキャッシュカードにする。また、郵送を通じた口座開設を停止することで「使わなくなるシステムが出てくるだろう」と考えている。

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