データセンターを効率的に冷房する方法夏をクールに乗り切る11のヒント(1/2 ページ)

いよいよ夏本番。データセンターの熱対策が気がかりだ。内部の温度は安全なレベルに維持できているだろうか。灼熱の夏をクールに乗り切る11のヒントを紹介する。

» 2008年07月28日 08時00分 公開
[Julius Neudorfer,eWEEK]
eWEEK

 いよいよ夏本番。データセンターの熱対策が気がかりだ。内部の温度は安全なレベルに維持できているだろうか? Network Services for North American Access Technologiesのディレクター、ジュリアス・ニュードーファ氏が、灼熱の夏をクールに乗り切る11のヒントを紹介する。

 うだるような暑さの中で、データセンターの冷房システムが限界を超えるのではないか、と多くの中小企業は気が気でないだろう。十分なキャパシティを持つ大規模な専用空調システムを備えていないのであれば、なおさらだ。酷暑が続く夏の日々、IT部門のスタッフは額に汗をにじませながら、サーバが熱暴走で突然シャットダウンしないことを祈り続ける。

 実際のところ、機材の熱負荷が冷房システムのキャパシティを大幅に超過するようなことでもない限り、エアフローを最適化するだけで、新しいシステムを導入するまでの間、一時的に状況を改善できることは多い。そのほかにも急場しのぎの対策はいくつかある。ここでは、長期的な問題解決にはならなくても、とりあえずこの夏をなんとか乗り切るための11のちょっとした小技、コツ、テクニックを紹介しよう。

  • その1:温度計を持ってサーバの前面に立つ。そこはサーバが冷気を吸い込む場所だ。こうすることが唯一有効かつ重要な温度の測定方法なのである。ラック正面の上部、中部、下部の温度を確認してみよう(ホットアイル-コールドアイル・レイアウトを採用している場合)。もしラックの下部が涼しく、スペースに余裕があるなら、サーバの再配置を検討してみる価値はある。

  • その2:ラックの空きスペースは、前面をすべてブランクパネルで塞ぐ。そうすることで、後部からの排熱がラック前面に還流するのを防ぐことができる。

  • その3:フロアが二重床なら、床格子(あるいは多孔床タイル)が最も温度の高いラックの前に来るように配置しよう。必要なら床格子を変更、再配置して、熱負荷に応じてエアフローを最適化する。ただし、床格子とCRACは近づけ過ぎないように注意しなければならない。エアフローの“ショートサーキット”が発生し、CRACから出た冷気がすぐに引き戻され、室内全体に冷気が循環しなくなる場合もあるからだ。

  • その4:キャビネット内のフロア開口部をチェックしよう。底面のケーブル開口部から二重床を流れる冷気が逃げ出すと、ベンチレーションに必要な(コールドアイルの)通風量が低下していまう。この問題は、外気を遮断するブラシタイプの通風口キットを利用すれば、ある程度は解決する。

  • その5:もし可能なら、すべてのラックに熱負荷を均等に分散し、“ホットスポット”を作らないようにする。サーバを移動する前に、ラックの上部、中部、下部の温度測定を忘れないように。そして最も高温のサーバを最も涼しい場所に置き、空きスペースはブランクパネルで塞ぐ。

  • その6:オーバーヘッドダクトシステムの場合、冷気アウトレットがラックの前面の上部、そして回収ダクトがラックの後方の上部にあることを確認しよう。天井ベンチレーションがうまくいっていないサイトは、キャパシティに余裕があっても室内が高温になりやすい。この問題は、ダクトをいくつか移動するだけで解決する。

  • その7:室外に熱を排出できる場合は、簡易タイプの空調ユニットを一時的に追加することも検討しよう。CRACが効かないエリアまで天井に排気ダクトをはわせればいい。ただし簡易的な熱排気ダクトは、外部に排気できる場合に限られる。
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