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» 2008年08月04日 17時00分 公開

ビジュアルなグラフで理解:IT業界には派遣が少ない?――日本では受託開発型が主 (3/3)

[イノウ業界研究会,ITmedia]
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江水君 うちの社員数って、350人ですよね。これくらいの規模の企業は、業界ではどの程度のポジションになるのでしょう。

冠里さん 中堅ですね。中小企業基本法では「ソフトウエア業または情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下の企業を中小企業」と定義していますので、社員数を見ると、それよりは大きい。でも、いわゆる“大手”といわれている企業は、正社員の数も数千人規模ですからね。

図5:2006年度 IT業界内 規模別の従事者数比較(画像クリックで原寸表示)

江水君 やはり大きな企業に勤めている人が多いのですね。

冠里さん 100〜299人規模の企業に勤めている人も20万人弱と少なくない。それに対し、中堅規模の企業に勤めている人はあまり多くありません。

江水君 なぜですか?

冠里さん これは、大企業の数と中堅企業の数がそれほど変わらないからなのです。これくらいの規模の企業は、大企業ほどスケールメリットが出せませんし、中小企業ほど小回りが利かない。まあ、うちの場合は本社が福井県にあるので中堅企業としてのポジションを取れるのですが。

江水君 でも僕たちの勤務する東京支社にも、本社と同じくらいのスタッフがいますよね。

冠里さん それはシステム開発の案件は、典型的な東京一極集中型だからです。次のグラフを見てみましょう。

図6:2006年度 IT業界内 都道府県別の従業員数比較(画像クリックで原寸表示)

江水君 なるほど。1位の東京に勤めている人が30万人弱で、2位の神奈川に勤めている人が6万人弱。まさに一極集中ですね!

冠里さん 次の円グラフも見てみましょう。

図7:2006年度 IT業界内 都道府県別の従業員数比較(画像クリックで原寸表示)

冠里さん 全体の約5割が東京に勤めていることが分かります。

江水君 でも米国のIT系企業って、郊外に本社があるケースが多いって聞きましたけど。

冠里さん 確かに、マイクロソフト本社はシアトル郊外、オラクル本社はサンフランシスコ市街から自動車で南に30分ほど行ったところと、いずれも都会ではありません。でも、こうした企業の主要ビジネスはパッケージ開発です。日本のIT企業のように受託開発がメイン事業である企業は、どうしても顧客企業が多く集まっている東京に開発拠点を置かざるを得ないのです。

著者紹介

イノウ業界研究会 業界、会社、仕事のことを、「動く図表」「リアルなキャラ」「MECEな文章」を使い、ウェブと書籍の連動で「分かりやすく」解説することを目指しています。IT業界については、ウェブの『IT業界の「しくみ」と「ながれ」』(こちらのサイトでは「動くグラフ」が稼働中)と書籍の『世界一わかりやすいIT業界の「しくみ」と「ながれ」』でサービスを提供中。


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※本連載は、@IT自分戦略研究所と共同企画でお届けしています。



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