富士通が経営方針を説明 「強さを表に出した事業を進める」と野副新社長強い事業をより強く

富士通は2009年度の売上高営業利益率5%超を目指し、主力のテクノロジーソリューション事業やアウトソーシング事業に注力する。海外事業のテコ入れも図り、海外売上高比率を引き上げていく。

» 2008年08月06日 08時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]
image 野副州旦社長

 富士通は8月5日に経営方針説明会を開いた。6月に代表取締役に就任した野副州旦(くにあき)社長は、2009年度の売上高営業利益率5%超を目指し本業の強化を図るほか、海外事業の収益化を進めていくと話した。

 野副社長は「強さを表に出した事業を進める」と説明し、経営の主力となっているテクノロジーソリューション分野において多くの売り上げを占めるソリューション/SI事業に言及。同事業の2007年度の営業利益率は10%に近づくなど、2005年度に比べてほぼ倍増した。

 営業とシステムエンジニアを一体化して情報やリソースの共有を図ったほか、採算の取れないプロジェクトを減らすといった取り組みを進めたことが奏功し、同事業における2007年度の不採算プロジェクトの損失額を80億円(2005年度は170億円)に減らした。優秀なシステムエンジニアをシステム障害の火消し役にあてがうことを極力避け、プロジェクトの回転率を引き上げたことも、営業利益率の改善に寄与した。

 「中核事業の1つとして展開していく」と野副社長が表現するアウトソーシング事業も好調だ。連結売上高は前年比12%増の5150億円、国内単独の粗利率は30%となったほか、国内では3年連続売り上げ1位を獲得。「強い部門を強くしていく」(野副社長)考えに基づき、利益の拡大を図る。

ソリューション/SIビジネスの改善(写真左)と、サービスビジネスの拡大(写真右)

 一方で海外事業には課題を残した。2007年度の営業利益は248億円と、2006年度の442億円から大きく減った。野副氏は不振の理由を「景気の不透明感や買い控えなどを予期できなかったことや買収の効果が出ていない」と説明。課題解決に注力し、36%だった2007年度海外売上高比率を2009年度に40%超に引き上げる。

 野副社長は「システムプロダクトとサービスの相乗効果を高め、国内ビジネスの収益を盤石にする。海外ビジネスの成長力と収益性を高め、課題となっている事業は“選択と集中”を強化していく」と述べ、中期目標の実現に向けて意気込みを示した。

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