FacebookやTwitterの社内利用をめぐる議論が噴出リスクの取り方が焦点(1/2 ページ)

FacebookやTwitter、YouTubeなどのソーシャルネットワーク/アプリケーションの企業内での利用は、微妙な問題であるようだ。Gartnerのアナリストらがこういったソーシャルアプリケーションの社内利用を認めるべきだと主張したことに対して、賛否両論が渦巻いている。

» 2008年08月22日 08時00分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 FacebookやTwitterなどのソーシャルアプリケーションの企業内での利用について、3週間ほど前にわたしが書いた記事が、読者の間で賛否両論の激しい反応を引き起こすという形で新たな展開を見せている。

 Gartnerのアナリストのアンソニー・ブラッドリー氏とニコス・ドラコス氏は報告書の中で、企業でのソーシャルアプリケーションの利用を認めるべきだと主張した。その前提として、FacebookやYouTubeなどの娯楽的要素が強いコミュニケーション/メディアプログラムの適切な利用方法を定めた「信頼モデル」を企業が作成する必要があるとしている。

 この指摘に対する読者からの反応はさまざまだ。従業員が機密情報をソーシャルネットワーク上で公表したので、Facebookの社内利用を禁止したという経営者もいれば、Facebookを社内で利用する場合に、自社のサイトを防御する方法についてアドバイスしてくれたセキュリティ管理者もいた。また、真のマルチタスクが人間に可能なのかという問題についても活発な議論が起きた。

 ある読者(匿名希望=WT)は次のように述べている。

 「われわれの顧客企業の社内ネットワークでは、この種のコミュニケーションは全面的に禁止している。顧客企業の従業員が仕事に集中できないからだ。効率的なコミュニケーション技術/メディアは既にたくさん存在する。仕事と遊びは別だ」

 「あなたは会社のために働いているのであり、自分のためではない」と書いてきた人もいる。この読者によると、インスタントメッセージング(IM)やFacebookといった類のアプリケーションを使えるのは特典であり、権利ではないという。

 WT氏の意見はこれとは異なり、「ソーシャルアプリケーションは社内で不適切に利用される可能性があるものの、責めるべきは不正利用をするユーザーであり、アプリケーションではない。要するに、“大切なものを無用なものと一緒に捨てる”ようなことをしてはならないということだ」としている。さらに、WT氏は次のように記している。

 「確かに、Facebookなどのサイトが不適切に利用される恐れはある。それに対する答えは説明責任であり、禁止ではない。従業員を教育し、彼らが会社のために誇りを持って楽しく働けるようにすることが大切だ。そうすれば従業員もきちんとした行動をするはずだ。問題社員はどこの会社にもいる。そういった連中に対処すればいいのであり、一律に禁止するようなポリシーは不要だ」

 WT氏は、Gartnerが提案する信頼モデルには反対ではないようだ。このモデルは、経営者と従業員がFacebook、Twitter、YouTubeなどの適切な利用方法に関して合意するというものだ。この種のアプリケーションを全面的に禁止するという独裁的な姿勢で従業員に臨むべきではないという考え方には、わたしも賛成だ。

 「Donthesecuritywonk」というユーザー名の読者はセキュリティ重視派で、これらのサイトに業務用デスクトップからアクセスするのに伴う問題として、悪質なコードが侵入する危険性が高くなると指摘する。これは修復のために無駄な時間とリソースを費やすことになるだけでなく、重要なデータの流出という形で会社全体を危険にさらす恐れがある。さらに同氏は、次のように付け加えている。

 「これらのサイトは悪人たちのたまり場だ。彼らは、奇抜なコンテンツやわいせつなコンテンツさえあれば、ユーザーのデスクトップ上でマルチメディアを実行させることができるのを知っている。そうすることにより、ユーザーのシステムの脆弱性を利用し、好き放題のことをするのだ。例えば、rootkitを使って、そのデスクトップをシステム攻撃の基地にするといったことだ」

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