ショタ社長、海外に乗り出すの巻――サイボウズ青野さんに会った有馬あきこのはじめましてインターネット(1/2 ページ)

「仕事は面白くなければいけない」が信条のサイボウズ青野社長に会ってきました。彼の言う“面白さ”の中に、ユーザー満足につながるヒケツがあるようです。

» 2008年08月26日 08時00分 公開
[有馬あきこ,ITmedia]

 長い年月ネット業界におりますと、色んな方とお知り合いになれる機会があり、それは、自分にとっても幸せなことであるわけで。今回は突然ですがサイボウズの青野さんにお会いしてきました!

 青野さんとのお付き合いは、サイボウズOffice 4(すでに販売、サポートともに終了。現在はOffice 7へ移行)のデザインを手がけたことがきっかけです。メインUIのデザインではなく、スキンのデザインだったのですが、わたしにとって、良い仕事ができたと感じています。

サイボウズ青野社長 サイボウズ青野社長

 飯田橋のオフィスにて、快く迎えてきれた青野さん。サイボウズのミーティングルームはシャレています。わたしが気に入っているのは“和テイスト”の部屋。松下幸之助直筆の書が掛けられ、窓の外から小石川庭園を望めます。おしかける側なのに、「あの部屋がいい!」とワガママを言っています(汗)。

 「エー実は、超不定期連載の一環で取材したい、というわけでやって来たんですけど」と伝えるわたし。「あ、アレですね! 読みましたよ」とPCを開いて記事にアクセスする青野さん。そ、それって羞恥プレイですよ!  取りあえず「真面目なネタも書いています」と自己フォロー。

 すると、担当編集いわく、「有馬さんの書いた原稿、いつも扱いに困っているんです。ですので、キチンとした人にお会いして、キチンと話を聞いて欲しいと。そうすれば、おのずからマトモな原稿が上がってくるだろうと見込んでいます。」

 ひどいなあ。ではここから、「おのずからマトモ」なインタビューをお届けします。


Office 4のデザインサンプル(当時) Office 4のデザインサンプル(画像クリックで拡大)

有馬 長いお付き合いですよね。Office 4のUIデザインをお手伝いしたのがきっかけでしょうか。ビジネスソフトのUIでこんなデザインアリなのか!? という感じで、わたしとしてもチャレンジでした。

青野 そうですね。あの時はムチャなお願いをしたなあ、と思っています。Office 4をリリースするに当たり、競合と差別化するためのポイントと考えていたのがデザインです。それまでのビジネスソフトにはカタいイメージのものが多かったので……。スキンの変更機能は現行のOffice 7にも受け継がれています。当時有馬さんには魚アイコンのスキンをお願いしましたよね。メニューが増えるごとに「サカナ1匹増やして!」と頼んだりして。

有馬 魚、選ぶの大変だったんですよ(笑)増えるとは思わなかったし。スキン全体は水槽をモチーフにしていたので、「これは淡水魚なのか、海水魚なのか?」と調べたりして。

青野 サイボウズにはShare360という多言語版もあります。国際的に通用するデザインって、なかなか難しい。例えば日本では、ハンコのアイコンを用意すれば「承認」という機能として意味付けられるけど、海外では通用しない。

有馬 Share360のアイコンについては、社内スタッフで“案だし”をしました。海外ユーザー、日本ユーザーのいずれにも違和感なく使ってもらえるよう気を配っています。

青野 実際のところ、“やわらかめなデザインによる使いづらさ”はあったかもしれません。アイコンは魚だし、背景は青一色だし……。でも女の子はみんな、楽しそうに使うんです。それを見た時、「勝った!」と思いました。合理的な使いやすさだけではなく、毎日眺めて楽しい画面が、そこにある。僕たちのターニングポイントは、Office 4の魚デザインだったと思っています。アレがなかったら、面白くない会社になっていた。

注:

Office 4の機能解説ページでは、UIに対する考え方について、次のように記述されている――「グループウエアというソフトは1日中使っているものなので、利用されるインターフェースはその人を『気持ちよく仕事させる』ものでなければなりません」


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