Dell、小売り網開拓などにより減益

コンシューマー向けPCの出荷台数は53%増と好調だったものの、粗利率の低下や事業再編コストの影響で純利益は17%減だった。

» 2008年08月29日 08時23分 公開
[ITmedia]

 米Dellが8月28日発表した同社第2四半期(5〜7月期)決算は、売上高は164億3400万ドルで前年同期を11%上回ったが、純利益は同17%減の6億1600万ドル(1株当たり31セント)だった。コンシューマー市場やEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域で取った「戦略的施策」の結果として粗利益率が低下したこと、無形資産償却費用2700万ドル、事業再編費用2500万ドルの計上などが影響したという。

 コンシューマー市場での施策については、小売り網の開拓によって粗利が減少したというものだが、EMEA地域での施策に関しては、同地域での主力サービスの収益が繰り延べとなって営業利益の減少を招いたもので、これについては次四半期以降に計上できる見通しだと説明している。

 純利益はマイナス成長となったものの、同四半期中のサーバ売上高は5%増、出荷台数は19%増と業界平均を2.5倍以上上回る成長率を記録した。ノートPCも売上高26%増、出荷台数44%増と好調だった。

 また、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国での売上高が41%増、出荷台数が46%増で、同地域での売り上げが全体の9%以上を占めるようになった。アジア太平洋地域も好調で、売上高、出荷台数ともに16%増を記録した。ただし同社では、米国でのIT支出の抑制が、西欧やアジアの一部地域にも広がってきたと報告している。

 コンシューマー向けPCの総出荷台数は53%増で、同社の市場シェアは前年同期から1.6ポイント上がり9.1%となった。コンシューマー向けノートPCの出荷台数は前年同期の2倍以上で、売上高も28%増の28億ドルに上った。しかし、小売りに重点を移す中で利益率が低下したことと、訴訟費用1800万ドルによって、コンシューマー事業はほぼ損益とんとんで四半期を終えたという。

 同社では、過去1年間で8500人以上の人員削減を行っており、第3四半期には1年以上前に設定した合計8900人の削減目標を達成する見通し。

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