VMware、仮想化ロードマップにクラウドとデスクトップインフラを追加(2/2 ページ)

» 2008年09月17日 16時02分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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「vCloud」へようこそ

 またVMwareは、サードパーティーのホスティングプロバイダー向けのツールセットも提供する予定だ。この計画は「vCloud」と呼ばれている。これにより、Verizonなどのサービスプロバイダーはクラウドサービスを提供することができ、企業ユーザーは社外のクラウドと連携することが可能になる。例えば、企業がアプリケーションをホスティングプロバイダーに移行し、しばらくの間、それを社外のデータセンターに置いておき、その後でそのアプリケーションを社内のデータセンターに戻す、といったことも可能だ。

 バルカンスキー氏によると、VMwareが最終的に目指しているのは、GoogleやAmazonなどが構築したインフラに似通ったデータセンターを企業が構築できるようにすることだという。

 VMwareでは、これらの機能を実現し、Googleのデータセンターインフラに類似した環境を構築するために、多数の新機能を提供し、それらをVirtual Infrastructureスイートと同社の仮想コンソール「vCenter」(以前は「VirtualCenter」と呼ばれていた)の両方に統合する予定だとしている。

 これらの新機能の1つが「VMware Fault Tolerance」という技術である。これは、仮想マシン(VM)のスペアコピーを作成し、ハードウェアが故障した場合にそのVMを使用するというもの。ウイルスやマルウェアを防止する「VMsafe」という機能も用意する。VMwareではVMsafeを開発するために、McAfeeやSymantecなどのサードパーティーのセキュリティベンダーに自社のAPIの一部を公開し、これらのベンダーがセキュリティコンポーネントを作成できるようにした。

 「VMware vApp」と呼ばれる機能は、多層型アプリケーションの各種パーツをすべてカプセル化する「Open Virtual Machine」フォーマットを使用する。そのアプリケーションのオーナーがポリシーを設定し、データセンター内でのそのアプリケーションの利用状況を把握することもできる。

 vCenterに関しては、IT部門が作成したクラウドインフラを監視・管理しやすいようにするために、VMwareは既存のライフサイクル管理機能(Lab ManagerやStage Managerなど)を新機能と連携する計画だ。

 デスクトップ分野では、VMwareはVirtual Desktop Infrastructureに分類される既存製品を拡張し、「VMware View」という新たなカテゴリーに統合する方針だ。この製品は、IT部門がデスクトップに加え、ノートPCや携帯端末など広範なデバイスにアプリケーションを配布することを可能にする。これらのアプリケーションは、共通のプラットフォームとインタフェースから配布・管理することができる。

 VMwareでデスクトップ製品/ソリューションを担当するジェフ・ジェニングス副社長によると、VMware Viewはユーザーがオフラインモードを利用する機能も備える。このモードでは、ネットワークに接続した時点でデバイスが再同期化されるという。

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