盗まれたノートPCは産業スパイやテロ組織のサイト閲覧、犯行声明の送信といった行為にも使われているという。
ノートPCの盗難や紛失は情報流出につながるだけでなく、産業スパイやテロなどの犯罪に使われることもある――。セキュリティ企業のMcAfeeがブログで指摘している。
それによると、米国では年間200万台のノートPCが盗まれているという米連邦捜査局(FBI)の統計があるほか、Computer Security Instituteが上級管理職403人を対象に実施した調査では、半数が過去1年の間にノートPCや携帯端末を盗まれたことがあると答えるなど、ノートPCの盗難が頻発している。
ブログ筆者がパリで開かれたEurosec 2008の講演でこの話題をしたところ、スパイ対策/テロ対策に携わっているという人物から、ノートPCを盗む側の目的はデータ窃盗やハードの転売だけではないとの指摘があったという。
この人物によれば、盗まれたノートPCの30%は産業スパイに使われ、70%は海賊版ソフトや児童ポルノ画像のダウンロード、テロ組織や過激派サイトの閲覧、情報交換、脅迫や犯行声明の送信といった行為に使われているとのことだった。
泥棒が盗んだ車を別の犯行に使って、その後に盗難車を破壊して遺棄するのと同様の手口が、サイバー犯罪でも行われていると、筆者は指摘する。ノートPCを盗むのは車泥棒よりもはるかに簡単だと警鐘を鳴らしている。
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