Amazonとの協業でクラウド対応を進めるOracleOracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(1/2 ページ)

「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」の初日を締めくくるジェネラルセッションにデータベース製品を統括するメンデルソン上級副社長が登場し、データベースのアーカイブ手法としてクラウドの活用が広がるとの見通しを示した。

» 2008年09月24日 10時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]
データベース製品を統括するメンデルソン上級副社長

 米国時間の9月22日、「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」の初日を締めくくるジェネラルセッションにデータベース製品を統括するアンディ・メンデルソン上級副社長が登場した。

 昨年の出荷開始からおよそ1年が経過し、「Oracle Database 11g」のインストールベースは確実に増えているが、まだ70%程度の顧客は10gを利用しているという。この現状に対し、10gから11gへの移行を推奨する理由について、顧客からの「よくある質問」に答えるという形でメンデルソン氏はセッションを進めた。内容的にはOracle Database 11gの新機能を改めて解説するものであり、11gへ移行だけで性能が向上し、管理も簡素化できることが強調された。

 顧客が11gへの移行を躊躇する理由のひとつとして、「旧バージョンのデータベースで構築されたクライアント/サーバ型のOracle Formsアプリケーションを、容易に移行できるかどうかに不安がある」からだという。メンデルソン氏は、これに対応する機能としてWebアプリケーションを簡単に開発、実行するための統合環境「Oracle Application Express」の新機能を紹介した。

 従来、Oracle Application Expressには、Microsoft Accessをベースとしたアプリケーションの移行ツールがあった。これに加え、Oracle Formsアプリケーションの移行ツールを新たな搭載したことで、「まずはクライアント/サーバ型からWebベースのアプリケーションに作り替えることで、データベースの11gへの移行も容易になる」とメンデルソン氏。

 Oracle Formsの利用は、Oracleでは最も伝統的なアプリケーション開発手法といえる。過去からのアプリケーション資産が膨大に蓄積されており、これがアップグレードの足かせになっているユーザーは、実際に多い。この機能の登場は、むしろ遅すぎたくらいかもしれない。ちなみに、このOracle Application Expressの新しいバージョンは、OTN(Oracle Technology Network)サイトからダウンロードしてすぐに試すことができる。

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