Oracle OpenWorld San Francisco 2008は、地球環境の保全を打ち出した初のITカンファレンスかもしれない。運営面でさまざまな工夫を凝らしたほか、会期中は「グリーン」会議を併催し、討議も行われている。
今週、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」は、地球環境の保全を打ち出した初のITカンファレンスかもしれない。カンファレンスの運営面でさまざまな工夫を凝らしたほか、会期中、「Green Room」と呼ばれる特設会場では、いわゆる「グリーン」をテーマに討議も行われている。
サンフランシスコはもともと路面電車やトロリーバスが行き交うグリーンな街だが、カンファレンス会場のモスコーニセンターは冷房をギンギンに効かせていつも寒く、またランチのあとにはプラスティックのボックスやナイフ、フォーク、ペットボトルがゴミ箱からあふれ出るといった具合だった。
日曜日の夕方に行われたOracle OpenWorldのウェルカムセッションには、圧倒的人気で再選を果たしたギャビン・ニューソム市長が登場したが、彼は昨年、市役所機関によるプラスティックボトル詰めの水の購入を禁止する市長令を出したことで知られている。
「グリーン」を掲げた今年のOracle OpenWorldは、いつもとひと味もふた味も違う。冷房が明らかに弱められているほか、ランチのプレートや、ナイフ、フォークはリサイクル可能な素材に変わり、ペットボトルも姿を消した。水は冷水サーバから水筒やリサイクル可能なカップに注ぐスタイルに切り替えられた。ゴミ箱も公共の場では珍しい分別方式が採用されている。参加者に配られるバッグ、ノート、ペンはすべて再生材が使用されているという念の入れようだ。
モスコーニセンターの中庭では、約20台の自転車が据え付けられ、ペダルを漕ぐことで後輪につなげられた発電機が回り、わずかだが電力を作り出す。15分漕ぐと、電力が供給されている隣のインターネットカフェでコーヒーが飲めるという趣向だ。
ペダルを15分漕いで作り出せるのは、以下を賄う電力に相当するという。
お遊びに近いが、電力を節約する啓蒙にもつながる。ちなみに、日中の暑さのせいか初日の月曜はトータルで5時間しか発電できなかったという。これなら太陽光発電の方が効率的か。
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