その波にのるかそるか――IT業界クラウド狂想曲オルタナブログ通信(3/3 ページ)

» 2008年10月17日 19時45分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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セキュリティ対策あれこれ

 最近、無線LANが多く利用されるようになった。しかし、そのセキュリティに関してどれだけの人が意識しているだろうか。そこにくさびを入れたのが、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の無線LANを利用する上でのワキの甘さだ。無線LANを企業や家庭で利用している人は、いま一度確認して見てはいかがだろうか。

 そして川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の情報漏えい USBメモリ対策をどう考えるかでは、USBメモリからの情報漏えい対策について提案している。しかし最終的に必要なのは、技術論ではなく意識改革である。

 パスワードについては、新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の増え続ける「パスワード詐欺」場面の判断基準とトレードオフってなんだろう?で、パスワードを盗む詐欺プログラムについて言及。本当に、あらゆる手口が生み出されるものだと感ぜずにはいられない。

 中でも筆者が注目したのは、新倉氏のCAPTCHAを「正しく判断出来ない」私vs破る新手のボットだ。最近、ブログのコメントや、サービスへの登録など、あらゆるケースで見かけるようになったCAPTCHA。新倉氏の場合は文字の曲がり具合で難儀しているようだが、筆者は、その「色」に注目していた。CAPTCHAでは色付きのものもあるが、例えば色覚異常を抱える人の場合、背景と文字との色によっては見づらいというか、そもそも見えなくなってしまう可能性も否定できない。

 ボットが易々と解読できて、人が解読に失敗してしまう――このイタチごっこが終わる日は来るのだろうか。

iPhoneが法人市場に普及する日

 iPhoneをはじめとするスマートフォンが日本市場でも徐々に広がりを見せている。あの、ソフトバンクモバイルのCM「白戸家の人々」でも、ついにiPhoneが登場した。

 しかしその一方で、その機能は本当にニーズがあるのか、という疑念も生まれている。田中晃氏「『Internet & Mobile』 ア・ラ・カルト」のスマートフォンは売れるのか? 〜顧客ニーズ/潜在的市場規模から考察〜では、スマートフォンに対するイメージとユーザーが携帯電話購入の際に重視する項目の比較などから、その点を考察している。

 だが着実に普及は進んでいるようで、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のiPhone 3G 企業に1000台規模の初の大口契約、法人市場への普及は?によれば、iPhone 3Gの法人向けの大口納入があったという。今後、追随する企業が出てくるだろうか。

 iPhone専用サイトについて、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」の外出先でのエンタメ情報はiBARKSでで紹介されていた。確かに、使い勝手はよさそうだ。

 さて、iPhoneといえば松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」。今回の期間にも関連エントリーが多数書かれているので、一挙に紹介しよう。

掲載日 エントリー名
10/2 Androidに圧倒されていたiPhone、NDA解除で逆転なるか?
10/4 iPhoneの電池切れで考えた、「定額バッテリーサービス」ってどうだろ
10/5 名前詐称型iPhone楽器「Synthesizer」を試してみた
10/5 iPhoneをゆっくりしたい
10/6 100円でiPhoneにストラップつけて、200円でiPhoneの液晶破損を防ぐ方法
10/7 いきなり充実してきた「iPhoneで英辞郎」
10/7 企画につまったら、とりあえずiPhoneを振ってみる
10/8 ブライアン・イーノとわたしがiPhoneで奏でるアンビエント

 この中で筆者が注目したいのは、iPhoneの電池切れで考えた、「定額バッテリーサービス」ってどうだろ。筆者はソフトバンクモバイルの912SHを使っているが、まだ購入して1年3カ月ほどにしかならないのに、早くもバッテリーの持ちが悪くなってきた。フル充電しても、ワンセグの20分番組でさえも連続で見られなくなった。昔のケータイならば数年は問題なく使えていたので、機能の強化はバッテリーの消耗を激しくしているのがよく分かる。iPhoneの場合、よりバッテリーの消耗は激しいだろう。実に興味深い提案だと感じた。

音楽ガジェット

 iPhoneなどのタッチパネルは指で操作するわけだが、冬場に手袋をしていたらどうするのか、という疑問に対して佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の「Nokia 5800 XpressMusic」に付属するピックのような物は何なのだ!?では、対応商品を紹介している。【音ガ同(音楽ガジェット同好会)】の佐々木氏ならではの、音楽ガジェットへの希望へと発展しているのはユニークだった。

 そして松尾公也氏は、ニンテンドーDSiは音楽機能だけで買う価値ありで、新しいニンテンドーDSiが、音楽ガジェット好きにも「買い」な端末であることを紹介している。

 スマートフォンに代表されるタッチパネル式の商品は、音楽ガジェットという分野でも広がりをみせていきそうだ。

 最後に2本、気になったエントリーを紹介したい。

 まず、中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」の【1年】 『とらばーゆ』の復刊に見る、リクルートのビジネスモデル。紙媒体のメディアが次々に消えていく中で、あえて無料で復活するというのは面白い。ここに、リクルートのビジネスモデルの原点を見たような気がする。

 そして佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の2001年にタイムスリップ!は、確かに面白かった。ぜひ、いろいろ調べてみるといいだろう。

 ここまで、10月2日から8日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿された中から、筆者が気になったキーワードを軸に、ピックアップして紹介させていただいた。しかし、本稿で紹介できるものは膨大なエントリーの中のごく一部。ほとんどのエントリーを紹介することはできなかった。もし、本稿から「オルタナティブ・ブログ」に興味を持ってもらえたならば、ぜひ、ほかの投稿も読んで欲しい。

 「オルタナティブ・ブログ」を読むには、いろいろな方法がある。

 まず新着エントリーをチェックしたい場合は、最新の投稿を見てみよう。最新100件のエントリーをチェックできる。フィード配信も行っているので、リーダーなどを活用すれば外出先でも簡単に読むことができるのだ。

 ブロガーから読みたいという場合は、ブロガー一覧や、新規参加ブロガーからチェック。顔写真付きでブロガーを探すことができる。さらに旬なブロガーを知りたいならば、ブロガー・ベスト30をチェックしよう。

 事務局ブログのブロガー紹介からは、新しくオルタナブロガーになった人について、ユニークな紹介がされているし、ブロガー執筆書籍では、オルタナブロガーが執筆した書籍も紹介されている。ネットだけでなく、紙媒体からオルタナブロガーに触れることができるというわけだ。

 オルタナティブ・ブログから、ITの今を知る新たな発見があるに違いない。

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