CRMの新潮流

DWHにイノベーションが続々、企業の欠かせない差異化要素にTeradata PARTNERS 2008 Report(1/2 ページ)

企業が競争力を高め、売り上げの向上を図るためには、顧客を理解し、適切なアプローチをすることが求められる。その基盤となるデータウェアハウスでは、さまざまなイノベーションが進行中だ。TeradataのブロブストCTOに話を聞いた。

» 2008年10月21日 10時00分 公開
[栗原潔(テックバイザージェイピー),ITmedia]
Teradataのスティーブン・ブロブストCTO

 ネバダ州ラスベガスで10月中旬に開催された「Teradata PARTNERS 2008」で、TeradataのCTOを務めるスティーブン・ブロブスト氏がインタビューに応じた。同氏は、マサチューセッツ工科大学でコンピュータサイエンスを、ハーバード大学では経営学をそれぞれ学んだ。データウェアハウスについては、テクノロジーもマーケットも知り尽くしている。そんなブロブスト氏に、イン・データベース・プロセッシングやイベント駆動型処理といった、データウェアハウスのイノベーションについて聞いた。

ITmedia Teradataのビジネスで過去1年にあった重要な出来事を教えていただけますか?

ブロブスト たくさんの重要なことがありましたが、特に重要なのはアプライアンス製品の発表でしょう。

 今年の4月には「Data Martやエントリーレベル向けのアプライアンス Teradata 2500」を、今年の9月には「Data Warehouse向けアプライアンス Teradata 2550」を、そして、今回のPARTNERS 2008では「Extreme Dataアプライアンス Teradata 1550」を発表しました。

 1550は超大容量のデータマートを稼働するための目的に特化したアプライアンス製品です。例えば、通信事業者のCDR(Call Detail Record:通話明細記録)やSS7(Signaling System No.7:加入電話網の制御のためのプロトコル群)のデータの保管などに利用できます。これらのデータはすぐにペタバイト級の膨大なものになります。このような大容量のデータを単にアーカイブとして保管しておくだけではなく積極的に分析して活用することが重要です。131ペタバイトまでスケールできる1550はこのような目的に適しています。

ITmedia ペタバイトというと少し前までは単なる理論上の数字でしたね。

ブロブスト 顧客において膨大なデータ量の処理能力が今まで以上に重要になっています。例えば、eBayのデータウェアハウスの物理容量は5ペタバイトに達しています。そして、1日当たり50テラバイトのデータをローディングしています。1日当たりですよ。

ITmedia Teradataのブランド名の変更を考えたりはしなかったのでしょうか?

ブロブスト 検討しないことはありませんでしたが、やはりTeradataという名称を維持しようということになりました。顧客の多くはテラバイト単位のデータウェアハウスを運営しています。テラバイト級のデータウェアハウスから始め、その後も大きく拡張できるという点を表すためにもTeradataという名前が重要であると考えています。

ITmedia 「アプライアンス」という言葉をどのように定義されていますか? ハードウェアとソフトウェアをバンドルして、1つの価格タグで提供すればアプライアンスなのでしょうか?

ブロブスト 確かに業界の定義はやや混乱しています。わたしは、特定目的向けに最適化されたハードウェアとソフトウェアの組み合わせという意味で使用しています。

ITmedia その意味では、従来のTeradataを稼働する5550もアプライアンスと言えるのではないでしょうか? 「スケーラブルなデータウェアハウス」という特定目的向けに最適化されているわけですから。

ブロブスト そう言ってもいいかもしれませんね。

ITmedia ということはエントリー機に対して敢えてアプライアンスという言葉を適用したのはマーケティング的な意味合いが大きいのでしょうか?

ブロブスト 正直に言えば、そういう点もあるかもしれませんね。

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