10月中旬のTeradata PARTNERS 2008で、ペタバイト以上のデータウェアハウスを構築する企業にアワードが贈られた。いよいよ企業がペタバイト級の分析データを扱う時代がやって来た。
ネバダ州ラスベガスで10月中旬に開催された「Teradata PARTNERS 2008」で、物理容量がペタバイトを超える大規模なデータウェアハウスを構築するユーザー企業に「Petabyte Power Players」アワードが贈られた。受賞したのは、下に挙げた4社と匿名の1社で、いずれも名だたるが企業が「クラブの初代メンバー」に名を連ねた。
なお、ここではデータウェアハウスの物理容量を対象にしている。ミラーリングやインデックスのオーバーヘッドを考えれば、実質的なデータ容量はその半分以下であろうが、それでも数百テラバイトを超える膨大なデータ量であることには変わりはない。いずれも、性能ベンチマークのために実験的に構築したデータウェアハウスではなく、日々の業務に使用している実働データウェアハウスのことを指しているのはもちろんだ。一般企業がペタバイト級の分析データを扱う時代が来たということだ。
ちなみに、現在、数百テラバイト規模のデータウェアハウスを稼働しているTeradataユーザーも35社存在しているという。ペタバイトクラブ入りするユーザー企業の数は、今後段階的に増大していくだろう。
今回のPARTNERS 2008においては、eBayによる講演が2つ行われた。世界最大のデータウェアハウスを扱う企業の現場担当者の講演という点でどちらも極めて興味深い内容だった。
eBayは言うまでもなく世界最大のオークションサイトだ。日本法人が存在しない(eBayは世界各国で業務を展開しているが、日本と中国だけが例外である)ため、イメージが沸かないかもしれないが、その取引量は桁違いだ。eBayのサイト上で平均して1分に1台の自動車が売れているといえば、その規模が把握できるだろうか。全世界の登録ユーザー数は2億6000万人を超える。
ゆえに、eBayが扱うデータ量も膨大なものになっている。1日に転送するデータ量は約50ペタバイトであり、1日にデータウェアハウスにロードされるデータ量は約50テラバイトに上るという。
同社は、カリフォルニア州とアリゾナ州にデータセンターを所有し、アクティブ−アクティブ方式の災害対策形態で運用している。データウェアハウスの容量は各データセンターごとに約2.5ペタバイトだ。週に1度はデータウェアハウスのフルバックアップを取っているそうだ。
先の自動車の例でも分かるように、eBayは米国民の生活の一部とも言えるほど欠かせない存在になっている。社会的にわずかなダウンも許されない。銀行の預金系システムなどと同じレベルの超ミッションクリティカルなシステムになっているわけだ。
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