EC2環境は、Javaで記述された分散アプリケーション開発用オープンソースフレームワークの「Hadoop」など、すでに実績のあるさまざまな技術の上に構築されている(もちろん、Javaはヘビーデューティなタスクをハンドリングできる)。
Amazonは仮想マシンを提供すると前述した。仮想マシンをセットアップするとき、ユーザーはAMI(Amazon Machine Image)を指定することで、どのようなマシンにするか選択することが可能だ。例えば、1.7GBのメモリと160GBのストレージを持つ2007 32-bit Xeonプロセッサをベースとする標準Linuxディストリビューションの仮想マシンも、簡単にセットアップできる。そこからユーザーは必要に応じて別の仮想マシンを立ち上げることも可能だ。現在、上限は20台に制限されているが、大口顧客はAmazonと別途協議できるようになっている。
Amazon EC2のメインサイトには、EC2の概要説明とともに、AMIコンフィギュレーションのリストや、さまざまな開発者のホームページやドキュメンテーションへのリンクが掲載されている。
プログラマであれば、Hadoop開発者が作成したEC2上で稼働するサンプルを見たいに違いない。Hadoop開発者の1人で、EC2プロジェクトにも関わったトム・ホワイト氏によって記述されたチュートリアルには、いくつかのサンプルコードやアーキテクチャの解説、さまざまなヒントが含まれている。
Amazonはまた、チュートリアルの他に、オフィシャルドキュメンテーションやツール類など、膨大な量の開発者向けリソースを用意している。
EC2のメインページに加え、このテクニカルドキュメンテーションのページをチェックすることも推奨したい。ここには初心者ガイドや開発者ガイドへのリンクが含まれている。
Amazonは開発者を支援するためのツールをいくつか提供している。システムのコンフィギュレーションを実行できるコマンドラインツールなどだ。例えば、このページに1つのツールセットが用意されている。Webサービスを登録したり、立ち上げたりするためのツールだ。
また、このページでも、の開発者向けのツールがいくつか手に入る。仮想マシンをセットアップするためのツール群だ。
AmazonはさまざまなQ&Aを含む大きなディスカッションフォーラムも用意している。
当初、わたしはAWSに懐疑的だった。とくにAmazonがクラウドコンピューティング市場へ参入することには疑問を持った。確かにクラウドコンピューティングはクールに見えたが、その時点で重要なポイントをまったく理解していなかったのだ。しかし、いまは違う。数百万人のユーザーがクラッシュせずにアクセスできる拡張性の高いWebソフトウェアを想像してみればよい。実にパワフルな武器ではないか。それがEC2なのである。わたしはいまやすっかり納得させられた。
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