こういった自発的な個人情報の流出は、多くのネットサービスがPCだけでなく携帯電話でも利用できるようになったことで、爆発的に件数が増えているようだ。
サービス事業者にとって、携帯電話からの利用者は「お得意様」といえる。しかし同時に、さまざま報じられる事件によって、マイナスイメージもできてしまった。それが、昨年末から導入されてきたケータイフィルタリングにつながる。未成年に不適切と思われるサービスへのアクセスを制限したのだ。多くのサイトに接続できなくなり、事業者からも不満が続出した。利用者からも、ケータイのフィルタリングに関しては信頼できるのは1割に留まるという調査結果も出ている。まず必要なのは、フィルタリングではなく、利用する側の意識改革なのだ。
ブログやSNS、プロフなどを利用する際に重要なのは、自分が情報を出さなければ知られることはないという点だ。自分の書き込みや掲載した写真などが、結果として自分の身を危険にさらすとすれば不本意なことだ。楽しくブログなどのサービスを利用するためにも、最低限の危機管理はしておくに越したことはない。
気をつけるのは、個人情報だけではない。ブログやSNSなどで問題となりやすいのは、所属する企業に関する情報漏えいだ。個人ブログなどでは、機密情報などへの意識が薄くなりがちだ。
考えられるのは、企業として公開していない情報を事前にブログなどに書き込んでしまうといった失態だ。場合によっては、規約違反となって解雇される場合もあるから、注意しなくてはならない。また企業側も、こういった情報漏えいのケースがあることを認識し、規則として押さえておくことも必要なのだ。
次回は、まだまだ報道されることが多い、Winny(ウィニー)などファイル共有ソフトからの情報漏えいについて検証していきたい。
ネットの逆流(3):ユーザーの意識改革なしにWinnyからの情報漏えいはなくならない
ネットの逆流(1):Googleマイマップで意図せぬ情報公開多発、「うっかり」で済めばいいが
原因は調査中:吉本興業、1万5836件の個人情報がインターネット上に流出
神奈川で生徒11万人の個人情報流失の恐れ、事実は確認されず
セキュリティ管理の基本を徹底すべし、情報漏えい統計に見るデータ侵害
GoogleのJotSpotサービス、手違いでユーザー情報を公開
親は子供のネット利用に不安、子供は親の監視に対抗――McAfee調査Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.