業績好調のSofware AG、webMethods買収の成功が奏功

Software AGの業績が好調だ。カールハインツ・シュトレイビッチCEOは「SOAおよびBPM市場におけるリーダーになった」と話す。

» 2008年12月04日 20時55分 公開
[ITmedia]

 ビジネスプロセスマネジメント(BPM)ソフトウェアを提供するSoftware AGの業績が好調だ。第3四半期のSoftware AG全体の売り上げは14%増加し、中でも製品売り上げは20%向上した。一株当たり利益は61%伸びたという。好調の要因はwebmethods買収が成功した点にあるようだ。カールハインツ・シュトレイビッチCEOは「SOAおよびBPM市場におけるリーダーになった」と話す。

カールハインツ・シュトレイビッチCEO

 同氏は「不景気は企業にSOAやBPM、BAMといった技術の導入を促す」とし、SOA(サービス指向アーキテクチャー)やBPM(ビジネスプロセス管理)といった同社のソフトウェアが、既存資産を生かしながら新たなシステムを構築する上で有効だと強調した。

 「金融セクターは金融危機により法規制がますます強くなる」とシュトレイビッチ氏は続ける。法規制に対応するためには、既存システムを生かしながら足りない点を強化できるSOAに期待がかかるという。企業同士が合併する場合も、SOAならメインフレームとオープン系システムなど2つの異なるシステムから必要な要件を取り出し、新たなシステムを創出できる点で優れる。

 「ビジネス部門とシステム部門は違う言語で話している」というのはSoftware AGのジョー・ジェントリーCTO(最高技術責任者)だ。「ビジネス部門の人は在庫などのサプライチェーンのことを話したがり、システム部門の人はBPELやJavaなどの話をする」という。ここでBPMを用いれば、両者のプロセスが標準化し、同じ「言葉」を使えるようにできるとしている。

 「企業のミッションクリティカルシステムの90%はカスタム構築されたもの。これらは刷新する必要に迫られる」と同社。競争力を拡大するためには、SOAで既存システムを生かしながら、自動化した業務プロセスを構築する必要があるという。

 Software AGのSOAおよびBPMを利用する米電力会社のWATTは、BPMシステムを構築して各顧客の電力使用量を予測している。これにより、最適な電力価格を提示できるという。融資会社のRaiffeisenは、融資の決定までに経るプロセスを再構築することで、従来は数日掛かっていた判断を10分でできるようにした。

カイゼンを語るウィリアム氏

 欧州中央銀行は、webMethodsのBPM製品を利用している。同行では、同じメンバーである27の国家銀行のインフラを統合する際に、唯一の方法はSOAおよびBPMととらえているという。

 同社のBPMソリューション担当の上級副社長、ブルース・ウィリアム氏は過去を振り返り「トヨタ自動車の“カイゼン”はすばらしかった」と日本についての印象を話す。それがリーン生産やシックスシグマといった革新的な生産手法につながっていったという。いまも「プロセス」の品質の重要さは不変であり、SoftwareAGの技術力と総合ベンダーにはない中立性が顧客に利点を提供できると強調している。

 「既存のIT資産を再利用し、システム構築時間を短縮でき、コストを抑えた上で業務プロセスの効率を上げられる点が、SOAおよびBPM市場が拡大する要因といえる」(シュトレイビッチCEO)

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