Software AG、webMethods最新版を発表Innovation World 2008 Report

Software AGは、メインフレームを運用する企業がSOAでシステムを刷新するためのソフトウェア「webMethods Application Modernization Suite」を発表した。

» 2008年11月04日 15時22分 公開
[ITmedia]

 Software AGは11月3日から3日間、米フロリダ州マイアミで年次カンファレンス「Innovation World 2008」を開催している。初日の3日には、2007年に買収したwebMethodsの製品を基盤に、SOAでビジネスプロセス管理システムを実装するソフトウェアの最新版を発表した。メインフレームを運用する企業が、既存のソースコードをWebサービスでラッピングし、SOA(サービス指向アーキテクチャ)で新たなアプリケーションを構築するためのさまざまな仕組みを組み込んだ。特に、技術者向けに機能を拡張している。

「メインフレームは今も20%のペースで成長する市場」と話すCTOのジェントリー氏

 発表したのは「webMethods Application Modernization Suite」。CTO(最高技術責任者)を務めるジョー・ジェントリー氏は「特に開発者の生産性改善を心がけた。維持費を削減し、メインフレーム資産を新しいビジネスプロセスでも最大限に活用できるようにした」と話す。

 最新版には、SOA版とWeb版がある。「COBOLベースからSOAに移行するためのSOA版の機能に注目できる」とジェントリー氏は話す。調査会社のGartnerが2008年に発表した数字によれば、メインフレームで利用されるCOBOLのコードは世界中に2000億行あると考えられており、こうしたアプリケーション資産を生かしてSOAでシステムを刷新したいユーザー企業にとって利用価値が高いとしている。

 SOA版では、Microsoft Visual Studio 2008向けの新しい.NETプラグインを提供する。.NET開発者に首尾一貫した環境を提供でき、生産性の向上が見込めるという。また、レガシーアプリケーションをSOA化するために、SOAとレガシーの双方向でサービスをラッピングできるようにした。これにより、レガシー側からSOA側の.NETやJ2EEのWebサービスが見えやすくなり、技術者がローカル環境にあるプログラムのようにWebサービスを扱えるようになるという。

 メインフレーム向けのシステム開発のサポートも強化する。COBOL向けのサポートを拡張することで、メインフレームのCOBOLアプリケーションをSOA向けのWebサービスに転換しやすくできる。メインフレーム上での抽出データや詳細なエラーメッセージをSOAシステムでも閲覧できるようになる。

 なお、REST-ful Web servicesとReliable RPCという軽量WebサービスをSOA版で新たにサポートする。これにより、システム全体に掛かる負荷を抑えることができるとしている。

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