企業ITサービスを支えるブレードサーバ

x86サーバ・バトルをIT需要喚起のバネにWeekly Memo(1/2 ページ)

先週8日、日本HPがx86サーバ関連製品の大幅な値下げを発表したことで、x86サーバ市場は一層激戦区になりそうだ。果たしてこのバトル、IT需要喚起のバネとなるか。

» 2009年01月13日 05時27分 公開
[松岡功ITmedia]

大幅値下げを仕掛けた日本HP

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が8日に発表したx86サーバ関連製品の価格改定は、575製品を対象として、平均で20%、最大で67%値下げという大胆な内容だった。

 同社は同時に、x86サーバ事業の2009年の戦略として、中堅・中小企業向け販売支援体制の強化策、およびパートナーの提案型営業を支援するための営業人材育成プログラムの新設を発表。これらの詳しい内容は関連記事を参照いただくとして、前述の価格改定とともに3つの新施策が打ち出された。

 新施策の中でも注目されるのは、やはり大幅な値下げ。同社のx86サーバ事業史上でも最大規模という価格改定を実現した背景には、同社のx86サーバが世界累計出荷台数1500万台を超え、そのスケールメリットを活かしたローコスト化の推進がある。加えて円高効果も同社には追い風だろう。

 「このスケールメリットを活かして、圧倒的に価格性能比の高い製品を提供し、x86サーバ市場のプライスリーダーになりたい」

 同社 エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括ISSビジネス本部の橘一徳本部長は力を込めてこう話した。

 「圧倒的」という言葉が象徴するように、日本HPのx86サーバ事業は今、勢いに乗っている。IDC Japanの調査によると、同社は2007年下半期(7-12月)におけるx86サーバの国内出荷台数シェアにおいて、初めて首位を獲得。2008年も四半期ごとに激しい首位争いを繰り広げたという。

HP 記者会見に臨む日本HPの松本芳武執行役員(左)と橘一徳本部長

 中でも成長株として注目されているブレードサーバについては、2008年第3四半期(7-9月)まで5四半期連続で国内出荷台数シェアトップを獲得。しかも同第3四半期のシェアは過去最高の37.9%となり、競合他社を引き離しつつある。

 そうした状況から、同社では2009年の事業目標として、x86サーバの国内出荷台数シェア30%、うちブレードサーバのシェア50%を掲げ、積極果敢に攻勢をかけていく構えだ。

 ちなみにx86サーバ市場のシェア争いは、日本HPをはじめ、NEC、デル、富士通、日立製作所、日本アイ・ビー・エムといった有力ベンダーが激しいバトルを繰り広げている。中でも日本HPとNECの首位争いは熾烈で、出荷台数シェアで勢いを増す日本HPに対し、NECは出荷金額シェアにおいて2000年上半期以降、2008年第3四半期まで首位を堅持している(IDC調べ)。

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