企業ITサービスを支えるブレードサーバ

IT投資の必要性を熱く語ったNEC矢野社長の決意Weekly Memo(1/2 ページ)

国産IT大手ベンダー各社が先週、相次いで明らかにした2009年3月期の連結業績見通しから、今後の企業のIT投資の行方を探ってみたい。

» 2009年02月02日 08時49分 公開
[松岡功ITmedia]

急速な業績悪化の中で手堅いIT事業

 日立製作所7000億円、NEC2900億円、東芝2800億円、富士通200億円――先週、相次いで発表された国産IT大手ベンダー各社の09年3月期の連結業績見通しで、それぞれ最終損益の赤字がこれだけ膨らむことが明らかになった。

 最終損益での赤字は、日立が3年連続、NECが3期ぶり、東芝が7期ぶり、富士通が6期ぶり。赤字額は、NECが02年3月期に次ぐ規模、東芝が過去最大、日立は同社にとってだけでなく日本の製造業の中でも過去最大となる。

 まさに底が抜けたような業績悪化の状況だ。こうした緊急事態から、先週行われた日立、NEC、東芝の会見では経営トップ自らが業績の推移、および今後の事業構造改革や収益構造改革について説明に立った。

 それらの内容についてはすでに報道されているので、関連記事等を参照いただくとして、ここではIT事業にフォーカスして、各社の業績の推移や、会見での経営トップの発言を捉えながら、今後の企業のIT投資の行方を探ってみたい。

 急速な業績悪化に見舞われている各社だが、実はIT事業そのものについては手堅く進めているというのが現状だ。以下の数字は、すべて09年3月期の連結業績見通しとして見ていただきたい。

 例えば、富士通におけるテクノロジーソリューション事業では、営業損益で前期比5.4%増の1900億円を見込んでいる。その原動力となるのは、SIなどのITサービス(前期比21.0%増の1700億円)である。一方でサーバなどのハードウェアを中心としたシステムプラットフォームは、前期比で5割程度落ち込むと予想している。

 ITサービスの推移について、同社の加藤和彦 経営執行役上席常務(CFO)は、「金融、製造分野などでは厳しさが見られるものの、公共分野を中心に全体としては比較的堅調に推移している」と言う。

決算会見に臨むNECの矢野薫社長(右)と小野隆男 取締役執行役員常務

 そして、企業のIT投資の状況については、「企業の収益や資金繰り悪化を受けてハードウェアは減少基調にある。ソフトウェアおよびITサービスは今のところ堅調に推移しているが、今後は投資の選別がより進むだろう」との見方を示した。

 矢野薫社長が説明に立ったNECにおいても、IT事業は他の事業が大きく落ち込む中で踏ん張りを見せている。

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