「Java Swing」次期版は「保守的」アップグレードに──Sun幹部

Sun Microsystemsのダニー・コワード氏が「Swing」の次期版について、Swing Application FrameworkをJDK 7に組み込むなどの開発作業を進めていると明らかにした。

» 2009年02月06日 17時59分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 Sun Microsystemsは米国時間の2月4日、JavaのGUIフレームワーク「Swing」の次期版の方向性を明らかにした。次期版は保守的なアプローチを採り、革新的な新機能を追加するために後方互換性をなくすようなバージョンの開発は考えていないという。

 Sunの公式ブログで、同社クライアントソフトウェアグループ担当チーフアーキテクトのダニー・コワード氏は、「JavaFX」と比べるとSwingは成熟していることから開発スピードが遅くなっている、と認めた。だが、RIA技術の土台としてのSwingの役割が大きくなっていることを受け、開発フォーカスはSwingアプリケーションの開発を容易にすることとパフォーマンスにシフトしている、と説明している。

 開発作業としては現在、Swing Application Frameworkを「Java Development Kit 7(JDK 7)」に組み込むこと、ブラウザとの統合やランタイムパフォーマンスを改善することなどを進めているという。

 最新版でAPIを一新し、Javaの新機能や「Java Standard Edition(SE)」のAPIに対応することについては、Swingを利用する開発者や顧客と対話をした結果、後方互換性を損なうことには保守的であり、「準備が整っていない」と結論付けている。JDK 7のモジュラーアーキテクチャを利用して互換性のない新・旧バージョンを共存できる可能性はあるとしながらも、Sunとしては取り組まないとしている。

 コワード氏はさらに、より革新的な変化を望む開発者には、オープンソースの取り組みであるOpenJDK.orgを活用するようアドバイスしている。

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