Sunの製品を売るのは、SunよりもIBMが上手?巨人同士の統合効果は(1/3 ページ)

IBMとSun Microsystemsの合併は、両社および両社の投資家にとって非常に良い話だという点で関係者の見方が一致している。要素の1つが、IBMはSunのITインフラ製品をSunよりもうまく販売する必要があるということだ。eWEEKが取材した情報筋の多くは、IBMはそれが可能と考えている。

» 2009年03月19日 19時49分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 IBMとSunの合併の可能性が取り沙汰されている。両巨人は非常に広範な分野のビジネスを手掛けており、この買収は特定の技術の獲得を目的としたものではない。ストレージ、サーバ、クラウドコンピューティングなどすべての技術分野の販売とマーケティングの強化を狙ったものであることは確かだ。

 技術に関していえば、Sunは一級品を取りそろえている――オープンソースコミュニティーに強い影響力を持つMySQLデータベース、ストレージ用の超高速ファイルシステムであるZFS(Zettabyte File System)、巨大なJavaフランチャイズ、ディスク/テープストレージ技術のStorageTek、ハイパフォーマンスサーバ、今後有望なSSD(半導体ディスク)ストレージ製品、革新的なクラウドストレージソフトウェアなど、数え上げればきりがない。

 IBMも優れた技術を数多く保有している。しかしこれまで非常に長い間、Sunに欠落していたのは、IBMが明白な優位性を持っているマーケティング、販売、サービスといった非常に重要なビジネス要素なのである。

 好調なIBM Global Services部門は、Sunのサービス部門を完全に圧倒しているだけでなく、Hewlett-Packard(HP)のサービス部門を除くほぼすべての競合企業を圧倒している。この分野では、常に企業の規模と評判が重要な差別化要因となってきた。

 ビジネスの視点から見れば、この合併は早くも期待感を募らせている。両社に出資している投資家たちは興奮していることだろう。Sunの株価は3月18日、80%近く上昇して9ドルになった。今後、両社の合併交渉が本格化するのに伴い、Sunの株価がさらに上昇するのは間違いなさそうだ。IBMの株価はわずかに下がったが、たいしたことではない。91ドルという高値を維持しているからだ。

 製品に関していえば、うまくフィットする部分もあれば大幅に重複する部分もある。eWEEKラボおよびeWEEK編集部のスタッフが両社の製品を詳細に検討したところ、IBMとSunを統合した企業は、ほかのすべてのシステム企業にとって極めて恐るべき競争相手になるのは間違いなさそうだ。

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