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» 2009年04月19日 10時11分 公開

タスクチームのススメ(3):議論を空転させない徹底した「腹落ち共有」 (2/3)

[永井孝尚,ITmedia]

3-3 目的と目標の詳細な定義

 キックオフ会議で問題意識を共有できたら、次にタスクの目的と目標を定義しよう。第一回目の連載でも言及したが、目標と目的は、似ていて非なるものだ。目的は「何のためにやるか」を、目標は「どのような結果を目指すのか」という基準を示す。2つを区別せずにタスクチームを進めると、堂々巡りの議論に陥る。あらためて目的と目標を明確にしておこう。

 事務局で作成したタスクチームの目的と目標のドラフト(草案)を基に議論を進める。問題意識を共有する中で、設定した目的や目標を見直し、タスクメンバー全員で微調整をしていく。定義をしっかりと固めておくことで、タスクチームを進行する際のブレがなくなる。目的と目標の定義は、タスクを完遂するための屋台骨を作ることに相当する。

 目的の定義には、「抽象度」と「具体性」のバランスを取ることを心掛けたい。

 例えば「xxxx製品で売り上げxxxxx万円を達成すること」は目標にはなるが、目的にはならない。具体的な売り上げを目的にすると、その数字を達成するあらゆる手段がタスクの対象になるからだ。

 タスクチームの狙いは、単一の部門では対処できない問題を解決することだ。このようなケースでは、問題を解決した場合の「あるべき姿」を目指そう。下記に示したのは、問題、目的、目標の例だ。

問題:戦略製品「xxxx」の売り上げが伸び悩んでいる

目的:当社の総合力を発揮して、価格ではなく価値で競合他社との差別化を図るため、複数部門による総合サービスを開発し、全社で展開する

目標:顧客視点で、製品事業部A/B/Cの3部門協働による製品開発プロジェクトを年内に3件立ち上げる。売り上げ達成XX億円


徹底した「腹落ち」が目的達成の道を作る

 問題、目的、目標の設定にも、可能な限り時間を使いたい。問題意識の共有と併せて、会議を数回程度開催してもいい。これだけ時間をかけるのには理由がある。それは、タスクチームを結成するに至った背景の一つである部門の縦割り文化を打破するためだ。

 縦割り文化に陥りやすい大規模の企業では、会社全体の業績を考えるよりも、手の届く範囲にある自分の部門の目標達成を最優先に掲げてしまいがちだ。「自分の部門は必要に応じてほかの部門とコミュニケーションを取っている。全体最適と言われてもピンとこないし、メリットも感じない」。こういった本音を持っている人も少なくないはずだ。だが、こうした考えの多くは縦割り文化に起因している。

 こう考える人が大勢を占める部門からタスクチームに参加するメンバーは、タスクチームに参加するメリットを感じていない場合が多い。だからこそ、縦割り文化がどのような問題を引き起こしているのかを「腹に落ちるまで」徹底的に話し合おう。タスクチームに参加する意識をメンバーごとに同じ水準にセッティングする意味でも、徹底的な話し合いを避けてはいけない。

 ここに時間を割くことで、タスクの解決案が生まれることもある。問題の定義と目標、目的をメンバーで共有し、タスクチームの結成を支持した経営陣の合意も取っておきたい。

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