悪質サイトに間違われないためのWebキャンペーン会社に潜む情報セキュリティの落とし穴(2/3 ページ)

» 2009年06月09日 07時15分 公開
[萩原栄幸,ITmedia]

都合のいい? 個人情報保護法

 最近では、インターネットを利用した怪しげなアンケートやキャンペーンがどのような状況なのかを知る手段がほとんどありません。標的とする人間にこっそりジャンクメールで攻勢をかけて応募者を集め、「おいしい」個人情報だけを持ち去り消えているサイトがまだまだ存在しているのか、もしくは古い手段として現在ではほとんど発生していないのでしょうか。騙される側が「わたしは騙された」と思わなければ、闇の中で完結してしまうため、現状を明らかにした信頼できる数字は残念ながら持ち合わせていません。

 しかし、個人情報保護法が施行された当初に、「これでまた詐欺が増える」と知人と話していたことがあります。詐欺サイトを製作し、最後まで「騙された」と思わせないように当選者を掲載してしまえばいいからです。

例えば、以下のようなものあります。

「ブランド品の当選者発表」

  • 横浜市 K.佐藤様
  • 神戸市 Y.伊藤様
  • 杉並区 E.中守様

弊社は個人情報保護法順守の視点から当選者ご本人様が特定できないように住所、氏名ともに一部のみを公開させていただいています。ご理解のほどお願い申し上げます。


 これなら疑われる心配がなく、しかも創作しやすいのです。これだけで信頼が得られるという、本当に変な世の中になってしまいました。しかし、このようなやり方でも疑われることもあります。その違いが分かるでしょうか。

  • 神奈川県 L.佐々木様
  • 埼玉県  V.谷岡様
  • 東京都  Q.山田様

 この例は、実は外国人が詐欺目的でサイトを立ち上げたもので、一番の大きなミスは彼らが日本語をほとんど理解できなかったという点に尽きます。本来日本語においては発音できないはずの「L」「V」「Q」の文字が表示されています。強いて言えば「日系二世」「日系三世」「国際結婚」という可能性もありますが、100人の当選者の中に1人いればいいという確率において、7〜8人もいたのではさすがにおかしいとしかいいようがありません。

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