好調 中古パソコン活用のススメWeekly Memo(1/2 ページ)

景気低迷の中、中古パソコンの売れ行きが2年連続の2ケタ成長と好調だ。これまでは個人向けが中心だったが、企業向けに利用される動きも出てきている。

» 2009年08月17日 09時14分 公開
[松岡功ITmedia]

2年連続2ケタ成長の中古パソコン

 パソコンを中心とした中古情報機器の再利用を促進する一般社団法人 中古情報機器協会(RITEA)が先週11日に発表した2008年度の中古情報機器の国内販売台数実績によると、パソコンは前年度比10%増の174万7000台となった。

 先頃、調査会社のMM総研が発表した新品パソコンの08年度国内出荷台数は、前年度比1.8%増の1327万6000台。前年度に比べて新品が微増だったのに対し、中古品は2ケタ成長の伸びを示した。しかも中古品は07年度も前年度比30%増だったことから、2年連続で2ケタ成長を遂げた格好だ。

 台数の割合でいうと、中古品は新品の13.2%となり、前年度の12%から着実に存在感を増す形となった。ちなみに中古品の08年度実績のうち、とくにノート型が前年度比18%増の99万7000台と伸長した。また、中古品の38.5%が、製造年から3年以内のものであることが分かった。

 中古パソコンの売れ行きが好調な要因としては、個人および企業とも景気低迷の中で低価格な製品を求める傾向が強まったことが挙げられる。

 さらに同協会では、「パソコンの買い替え需要が増加している中で、中古品が対象製品として着実に認知されるようになってきたことや、適正な中古情報機器取扱事業者の再製品化作業によって良質な中古品が増加し、ユーザーが安心して購入できる仕組みが整備されてきたことが挙げられる」(小澤昇 専務理事・事務局長)とみている。

 同協会では販売台数実績と同時に、中古情報機器の活用による08年度の二酸化炭素(CO2)削減への貢献値を算出した。それによると、新品を作る場合の石油使用量などを考慮すると、CO2排出量削減効果は23万5900トンに上るとしている。

中古パソコンの販売台数推移(RITEA調べ)

 これは太さ30cmの一般的な樹木が1年間に吸収するCO2の量として、152万1000本に相当するという。なお、この数値にはパソコンに加えて、サーバやディスプレイ、ビジネス用プリンタ・コピー機、デジタルカメラなども含まれている。

 このように環境対策にも効果を発揮することから、「中古情報機器の活用が、使用済み情報機器の再利用や情報機器の長寿命化につながるだけでなく、廃棄物の発生抑制やCO2排出削減といった環境・循環型社会への貢献にもつながる」(小澤氏)というのが同協会の主張だ。

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