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Twitterの情報経路、正しく理解できていますか?企業とTwitterの向き合い方(1/3 ページ)

企業がTwitterでマーケティング活動を行う場合、企業が発信するメッセージを必要としているユーザーに正しく届ける工夫が必要だ。Twitterで情報が伝播するルートを6つに分けて、それぞれの活用法を考えたい。

» 2009年09月18日 08時00分 公開
[小林啓倫ITmedia]

 前回は調査統計などからTwitterに集まるユーザーの属性をあぶり出した。多くの人がTwitterに押し寄せているものの、企業がTwitterを使ってマーケティング活動を行う場合、企業が発信するメッセージを必要としているユーザーに情報を届ける工夫が必要だ。

 これからTwitterを使おうとしている企業にとって、ユーザーに正しく自社の情報を届けられるかについて不安を感じている担当者も少なくないはずだ。「価値のあるコンテンツを提供すること」はどんなマーケティングやプロモーションにおいても鉄則だが、Twitterを使って情報を適切に届けるためには、いくつかのコツを知っておく必要がある。

 今回は、Twitterユーザーが他者のメッセージを読むルートを6つに分類し、企業がそれぞれに対してどのような施策を取ればいいかを考えてみよう。

企業とTwitterの向き合い方」第1回目の記事はこちら:「Twitterを使っているのは誰なのか


(1)タイムライン

 まずはタイムラインの活用を考えてみたい。Twitterのタイムライン上には、自分がフォローしたユーザーの発言が新しいものから表示される。誰かのメッセージが一方的に送りつけられてきたり、広告が挿入されたりすることはない。従って誰かのタイムラインに情報を発信したければ、企業は何らかの形でアカウントの存在をアピールし、情報を届けたい対象からフォローしてもらう必要がある。

 フォロワーではないユーザーのタイムライン上に情報を表示する手段がある。その代表例が「RT」(ReTweet:リツイート)だ。これはあるユーザーの発言をほかのユーザーが引用して転送する行為で、話の文脈を分かりやすくしたり、おもしろい発言をほかのユーザーに紹介したりする目的で使われる。ある調査結果では、RTがTwitter上の全メッセージの約9%に上ることが明らかになっており、8月にはTwitterの公式機能としてRTが実装されるという発表も行われた。RTが徐々に市民権を得ていることは明白だ。

 RTは、ほかのユーザーが情報を自社に代わって発信してくれる行為とも言い換えられる。仮に企業アカウントのフォロワー数が少なくても、RTを活用したメッセージの転送が頻繁に行われれば、メッセージは広範囲に伝わっていく。ただしRTはユーザーが能動的に行うものであり、企業側からは強制できない。そのため企業側はRTを誘発するようなメッセージを発信する必要がある。

Twitter投稿ボタンの例 ITmediaのトップページに掲載されている記事タイトルの右側にもTwitterに記事内容を投稿できるボタンが設置されている

 発信するメッセージを100字程度に抑えることは、有効な施策だ。RTは通常、本文に「RT」という文字列と発言主のアカウントIDを追記して配信する。メッセージの上限である140文字に近い文字数だと、編集した内容を転送されたり、そもそもRTの対象にならなかったりする。また、「会議場での注意点」を「会議で結果を出す10の方法」とするなど、「思わず他人に教えたくなってしまうような書き方」で口コミを狙うアプローチも有効な施策として考えられる。

 ニュースサイトやニュース記事に設置されているもので、読んでいる記事をTwitterに投稿するボタンを自社サイトに導入するのも1つの手だ。これをクリックするとWebブラウザにTwitterのメッセージ画面が表示され、記事のヘッドラインやURLが自動的に入力される。ワンクリックで記事のURLを含むメッセージが表示されるため、実質的にはRTと同じ役割を果たす。

 タイムラインの活用に当たり、ユーザーが代理でメッセージを発言するような仕組みを考えることは必須だ。「引き」があるメッセージを作ったり、転送しやすい仕組みを構築したりすることで、メッセージはTwitter上で瞬く間に拡散するようになる。

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