Twitterを活用している企業の目的はさまざまだ。ベストブランド100社を分析すると、Twitterの活用目的は、(1)企業の広報、顧客との対話窓口、(2)製品サービスの広報宣伝、(3)支社の広報、顧客の対話窓口、(4)EC(電子商取引)およびリアル店舗との連動(バーゲン情報など)、(5)企業の求人募集、(6)製品サービスの改善アイデア募集――の6つに分類できる(図5)。
最も多い用途は、企業の広報窓口としての活用だ。Twitterのアカウントを開設している全56社のうち45社(80%)の企業が、このタイプに該当する。その多くはアカウントを顧客の問い合わせ窓口として明示していないが、結果的に顧客とのやり取りが発生しているケースが多い。アカウントを運用をしている主幹部門は、広報や顧客関連のコンタクトセンターの部門が多いと推察される。
この活用方法では、個人名を明示する形で専任者(以下、エバンジェリスト)を前面に出している企業の比率が多い。広報に活用している41社中12社が、エバンジェリストや専門のチームを立てている。
エバンジェリストの人物像としては、(1)企業の公式ブログの責任者、(2)ソーシャルメディアに精通した広報担当者――のいずれかが多い。責任者の顔を見せておくことで、企業側は顧客とのトラブルが起こったときに、前面に出ている責任者の問題として限定できる。これにより、全社にトラブルのリスクが及ぶことを回避でき、全社的なリスクマネジメントにつなげやすい。またユーザー側にとっては、担当者とより人間的な対話や交流ができるメリットがある。
企業の代表アカウント以外に、製品やサービスごとにアカウントを取得しているブランドも多い。全56社中22社(39%)がこのタイプで、米Microsoftの「MSWindows」、Nikeの「nikebasketball」、Sonyの「SonyPlayStation」などが代表的なアカウントだ。企業の代表アカウントよりも大規模になっている場合もめずらしくない。
これらのアカウントを代表アカウントと分けて運用する目的は、主幹部門が異なるからだ。また製品やサービスに関するユーザーとのやり取りは、リアルタイムな対応や意志決定が求められることも関係している。ユーザーにとって、好きなブランドの情報のみを入手できる点が歓迎されやすく、フォロワー数の増加につながっている。
海外や地方の支社が独自のアカウントを運用しているのは、全56社中28社(50%)だった。中には、ブラジルのAvonが運営する「AvonBR」、英Kellogg'sの「KelloggsUK」など、支社や関連店舗のアカウントを代表アカウントよりも先に開設している企業もある。
なお、国ごとに見たTwitterの普及度をGoogle Trends(2009年9月11日調査)で調べたところ、1位がアメリカ、2位が日本、3位がブラジルとなった。以下、イギリス、インドネシア、インド、ドイツ、カナダ、オーストラリア、イタリアが続いた。
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